シャープがサムスン電子の映像ディスプレイ(VD)事業部に大型LCD(液晶ディスプレイ)パネルを供給するとの予想が出ている。韓国各紙が報じている。
8日、ディスプレイ市場分析会社であるロシアのDSCCが報告書において「両社がパネル供給契約を結んだ」という内容を記載し主要海外メディアが同内容を報道した。サムスン側も否定はしていない。
サムスン電子は2013年に「協力強化」を目的にシャープの株式を3%取得したこともある。しかし、シャープが台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.)の傘下に入った2016年から悪化したと韓国メディアは伝えている。鴻海精密工業のテリー・ゴウ(郭台銘)会長によるサムスンへの納品を中断する」との宣言で、2017年からシャープはサムスンのLCDパネル供給元でなくなった。現在、同会長は経営の第一線から引いている。
サムスン電子の大型LCDパネル需要の約30%分を供給しているサムスンディスプレイがLCDパネルの生産中断を宣言したことで、状況は変化した。新しい供給元を探さなければならないサムスン電子と、供給先の拡充が切実なシャープの利害が一致し、「取引再開」の可能性が浮上した。
韓国経済新聞は、取引再開が実現してもシャープがサムスンに供給するパネルの量は多くはないと予想。サムスン電子が既存の供給元である台湾のAUO、中国のBOEとの価格交渉を有利に進めるためにシャープを「利用」するとの見方を伝えている。