韓国のピーエスケイ(PSK)社が「ストリップ(Strip)装置」の国産化を主導している。同製品は、半導体露光工程の後に不要な残留物を除去する機器だ。
同国のデジタルデイリー紙によると、同社は「ハードマスクストリップ(Hardmask Strip)装置)」を自社製品のポートフォリオに加えた。販売は昨年末から開始しているとのこと。ハードマスクストリップ装置は、文字通りハードマスクを除去する装置だ。ハードマスクは、回路パターンが刻まれたフォトマスクの補助材料である。
ハードマスクは、半導体製造工程時に回路パターンの崩壊を防ぐために使用される。近年、半導体工程が微細化されたことで、ハードマスクストリップ装置の需要も増している。ピーエスケイは同分野において高い技術を保有している。
ピーエスケイの主力製品は、PRストリップ装置である。ピーエスケイの製品はプラズマでPRをなくすドライストリップ装置である。市場調査会社ガートナーによると、ピーエスケイのドライストリップ装置は市場全体の46%のシェア(2018年)を占めており、世界1位だ。サムスン電子、SKハイニックスなど韓国企業はもちろん、海外の半導体メーカーにも供給している。米国のラムリサーチ、日本の日立ハイテクノロジーズなどが競合先となっている。
同紙によると、半導体業界の関係者は、「半導体装置は、米国と日本企業が主導する分野だ。特に前工程装置は海外依存度が高く、国内企業は後工程中心だ」とし「ピーエスケイが韓国機器メーカーとしてストリップ装置市場をリードしていることは意味が大きい」と述べたという。
(参考記事:「韓国企業が半導体用ハードマスク素材開発。輸入を代替できると発表」)