サムスンとSKグループ、そしてポスコが、ドゥサンソルース社の買収を巡って争奪戦を繰り広げているという。同国のソウル経済紙が報じた。同紙よると、サムスン電子が最近、ドゥサン社の売却情報を盛り込んだティーザーレター(投資案内文)を受領したことが確認されたという。
ドゥサン社はEVバッテリーの銅箔を供給する。銅箔は、薄いほど良いとされる。ドゥサン社の銅箔は6マイクロメートル(㎛)あり、ハンガリーで生産する。欧州でバッテリーを生産するサムスンSDIやSKイノベーションにとっては、ドゥサン社の生産能力は魅力的なようだ。ドゥサン社はディスプレイOLED関連の素材も生産する。OLED用のCPLをサムスンディスプレイに供給している。
(参考記事:「ドゥサン社、サムスンにOLED用CPL材料供給」)
(参考記事:「韓国ドゥサン社がEVバッテリー銅箔をルクセンブルグで生産、ハンガリーでも」)
サムスン電子は最近、ドゥサン社の売却情報を盛り込んだティーザーレター(投資案内文)を受領したと同紙は伝えた。同紙によると、ある業界関係者は「サムスン電子がティーザーを受けたが、今後、サムスンSDIやサムスンディスプレイなどの関連会社も買収に参加する可能性がある」とし「サムスンの立場では、ディスプレイ材料の供給を他の企業が得る状況を望まないだろう」と述べたという。
SKは昨年6月、世界1位銅箔メーカーのKCFTを買収した。ここでさらにドゥサン社を得ることで競争力を確実なものにしたいと同紙はみている。
ポスコはバッテリー素材事業に力を入れており、陰極材と正極材をそれぞれ生産するポスコケムテックとポスコESMを合併させポスコケミカル社を発足させた。ここで、銅箔メーカーを追加することで、競争力を確保する計画であるという。
ドゥサン社の売上高は昨年2,582億ウォン(約230億円)、営業利益は382億ウォン(約34億円)だった。買収価格は最大で1兆5千億ウォン(約1400億円)に迫るだろうと同紙は分析している。