光学部品メーカーである韓国のオプトロンテック社(OPTRONTEC)が米ビアビ社から起こされていた韓国での特許訴訟で勝利した。米国での特許訴訟はまだ決着がついていない。
(参考記事:「米ビアビがLGとの3DTof特許訴訟で和解。サムスン協力社とは和解せず」)
韓国メディアなどによると、同国の特許審判院は16日、ビアビの「光学フィルターとセンサーシステム」の特許核心内容を無効であると決定したという。ビアビの特許が無効であるというオプトロンテック側の主張の相当部分受け入れた結果であるという。同特許は、スマートフォン3D ToF(Time of Flight)光学フィルター技術である。 ToFは拡張現実(AR)など5G環境での活用が期待されている分野である。
ビアビによる訴訟は米国でも進行中である。ITC(米国国際貿易委員会)などで進行中の訴訟では、韓国での判決のようなオプトロンテックに有利な結論が出るかは未知数だ。
判決によってはサムスンのGalaxyの対米輸出に支障がでる可能性がある。オプトロンテックが敗訴すれば、同社の部品を搭載したGalaxy製品が米国内での販売を止められる恐れもあるからだ。
オプトロンテックとビアビは昨年から韓国と米国で特許裁判を争っている。
オプトロンテックと同時に訴えられたLG電子とLGイノテックは、すでに今年の初めにビアビと和解している。 LG電子のスマートフォンと上半期に出てきたアップルのiPad Pro、下半期発売予定のiPhone新製品の上位モデルなどがLGイノテックのToFモジュールを搭載している。
韓国メディア・ジイレック紙は以前から、ビアビ社がサムスン電子に光学フィルターを納品するためにオプトロンテックへの特許訴訟を起こしたのではないかとの(業界における)見方を伝えている。