サムスンディスプレイが今年限りでLCD(液晶表示装置)事業を整理することに伴い、サムスン電子への新たなLCD納品者として台湾と中国メーカーが競っているようだ。朝鮮日報が台湾紙を引用し21日報じた。
サムスン電子はこれまで、LCDパネルの30%程をサムスンディスプレイから仕入れていた。しかし、サムスンディスプレイが来年から「QDディスプレイ」の生産にシフトすることから、代替供給先を探さなければならない状況だ。台湾のデジタイムズは「サムスンディスプレイが、今年サムスン電子に供給するLCDパネルは1000万枚に及ぶ」と伝えた。
市場調査会社オムディアによると、サムスン電子は昨年世界テレビ市場でシェア30.9%(金額基準)で、14年連続1位となった。サムスン電子は1年に約4600万台のテレビを販売しているという。サムスン電子の主力テレビはLCDを基盤とする「QLEDテレビ」であり、そのためパネル製造各社にとっては、サムスン電子への供給が叶えば大幅な売上が期待できる。
デジタイムズによると、TCLの子会社であるCSOT(チャイナスター)は、サムスンディスプレイとの関係が良好であるとし、中国蘇州にはサムスンディスプレイの8.5世代工場についても、TCLが同合併法人の株式10%を保有していると指摘。残りの株式はサムスンディスプレイが60%、蘇州政府が30%を占めているという。デジタイムズは「サムスンディスプレイがこの合併法人の60%の株式をCSOTに売却しようとする協議を再開した」と伝えた。
朝鮮日報は、他に、台湾のAUOもサムスンとの関係強化に動いていると報道。AUOは過去数年間、4Kカーブド、ベゼルレス8Kなど高級テレビパネルを韓国メーカーに供給してきたとされる。この他にも、LGディスプレイ、
シャープなども、サムスン電子との取引に動いていると伝えた。