新型コロナウイルス(コロナ19)が韓国のスマートフォン業界を直撃しているようだ。
同国の電子新聞(etnews)によると、サムスン電子が、コロナ19による需要減少を受け、部品発注を大幅に縮小したと報じた。同紙は、業界の話として、サムスン電子のスマートフォン部品の発注量が今月に入って急減したとし、「部品ごとに差はあるが、総合すると前月比で少なくとも20~30%、多くて50%まで注文が減った」と伝えた。ある部品メーカーの代表は「50%の注文減少は死亡宣告と同じ」と話したという。
同紙によると、複数の部品メーカー関係者は「Galaxy Sシリーズのような高価モデルだけでなく中低価モデルの注文もすべて減少した」とし「第2四半期の業績悪化が予想されている」と述べたという。
今年初期の韓国のスマートフォン部品業界の第1四半期業績は順調だったという。 サムスン電子が主力製品の「Galxy S」シリーズと「Galaxy Z flip」を発売したため、完成品発売の2-3カ月前から部品業界にも効果が反映されていたとのこと。しかし、コロナ19が3月前後に米国や欧州などに本格的に広がり、流通網が崩壊し、需要減少が現実化したことで、サムスン電子が部品注文を縮小し、生産削減に乗り出したようだ。
サムスン電子は、コロナ19の影響を受け、スマートフォンの販売激減や今後、不確実性も高まり、従来の16週間分を示していた生産計画(フォーキャスト)を最近は6週間分へと減らしたという。
状況急変のため、スマートフォン部品業界は工場稼動日数の調整、役員給与の返納、海外工場勤労者の削減などを施行しているという。
サムスン電子は韓国最大の企業であり、年間3億台のスマートフォンを製造する「ビッグバイヤー」であるため、半導体、ディスプレイ、カメラモジュール、基板(PCB)など電子業界の広範囲に影響が及ぶ。
(画像:サムスン電子)