サムスン電子でスマートフォンを担当する無線(IM)事業部と、グループ企業であるサムスンディスプレイの間で、パネル供給をめぐり葛藤が顕在化しているという。サムスンディスプレイがファーウェイにフォルダブルフォン用パネルを供給することが理由であるようだ。
韓国メディア・ジイレック紙は、サムスン電子のフォルダブルポンパネルの後処理工程をおいて、サムスン電子無線事業部とサムスンディスプレイの間の葛藤が表面化しているという業界情報を伝えた。
サムスン電子のフォルダブルフォンのカバーウインドウ素材の一つである極薄ガラス(UTG)は、サムスンディスプレイが独ショット社からマザーガラスを調達し、ドウインシス社が加工する。その後、サムスンディスプレイによる後処理工程を経てカバーウインドウを組み合わせたフォルダブルポンパネルがサムスン電子に納品される。上半期に発売された「Galaxy Z flip」はこのようなサプライチェーンを経ている。サムスンディスプレイは、ガラスを安定的に調達するために、ショット社と3年間の独占契約を結んだ。ドウインシス社の株式も買い入れ、最大株主になった。
同紙によると、今年の初め、中国ファーウェイはサムスンディスプレイにフォルダブルフォンパネルの供給を要請したとし、間もなく供給が開始されるという。ファーウェイは、これまで中国BOEからフォルダブルフォン用パネルを調達し「Mate X」を製造していたが、品質が満たなかったと伝えている。
サムスン電子のスマートフォンは世界市場シェアにおいてファーウェイから追い上げられており、そうしたなか、系列会社であるサムスンディスプレイがファーウェイと協力することで葛藤が顕在化した理由であるようだ。
一方で、サムスン電子の無線事業部は、米コーニングのマザーガラスを使った新たなカバーウインドウの製造ラインを構築しているとされ、「ショット-ドウインシス-サムスンディスプレイ」と両立させる方向であり、その動きがサムスンディスプレイとファーウェイの協業を後押ししたとの見方も同紙は伝えている。
(参考記事:「ドイツのショット社、ギャラクシーZフリップのガラス独占供給か」)
(参考記事:「ギャラクシーZフリップ採用ガラス、ドウインシス社が独占供給」)
(参考記事:「サムスン、超薄型強化ガラス「SAMSUNG UTG」を商用化発表」)