サムスン電機が、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の分野に力を入れているようだ。
23日、韓国メディア・アジア経済紙は、「今年初頭にサムスン電機の最高経営責任者(CEO)に就任したキョン・ゲヒョン社長の指示により、先月、コンポーネントソリューション事業部傘下に、「設備先進化TF組織」を新設した」と報じた。
MLCC(multi-layer ceramic capacitor)はセラミックの誘電体を多層化して大容量化を図ったコンデンサー。近年の電子機器の大部分に搭載されており、雑音の抑制や電源供給の補助に用いられる。サイズは毛髪の太さほどとされる。
同紙によると、「(MLCCの生産には)微細工程を経なければならず、量産可能な企業は数少ない」とし、「村田製作所が30%台、サムスン電機が20%台、太陽誘電が10%」と世界シェアの状況を説明する。
同紙は、「同社のTFが韓国プサン(釜山)工場で生産されている車電装用MLCCラインの生産性向上や、中国天津に構築中の新規生産設備の効率配置などにも関与する」とし、「同社は先だって、昨年の検査効率と歩留まり率向上のために、MLCCの品質外観セレクターにAIを導入した」との情報を明らかにしている。
サムスン電機は電子機器用のMLCCだけでなく、車の電装用MLCC市場のシェア確保にも力を入れているという。電装用MLCCの分野ではサムスン電機のシェアは10%に満たないと同紙は伝えた。
(参考記事:「サムスン電機、天津MLCC工場稼働は来年以降に」)