英BBCは、スチレンガスの流出事故で多数の死傷者を出したLG化学の子会社であるLGポリマースインディアの件について、「会社側の管理怠慢」が原因であると報じた。
同報道を引用した韓国メディア・市場経済新聞によると、BBCは同工場に勤務したインドの現地スタッフへのインタビューやインド労働部が作成した報告書などを根拠に、「2017年以降、この工場では、(信号あるいは警報用)サイレンが消えた」と報道したという。現地スタッフによると、当初はサイレンが機能していたが、2017年から停止したと答えたとのこと。同報道では、同工場の化学物質貯蔵タンクの管理不良も指摘されたという。
BBCは、インド労働部の初期検査報告書の内容を公開し、LG化学、インド工場の「化学物質貯蔵タンク」の管理実態について追求。
放送では「2016年8月に発表された報告書を見ると、6つのスチレンタンクのいずれかを保護するセメントクラッディングが損傷し、直ちに交換する必要がないと指摘されていた」とし、昨年12月に報告書には、「タンクスプリンクラーパイプが腐食された」という記録もあったという。
BBCは「会社も(インド政府)職員の両方とも、このような問題を解決したのかを問う質問に回答していなかった」としたという。
同工場は、1961年に可燃性の液体スチレンポリマー製造のために設立された。スチレンは冷蔵庫、エアコン、食品容器、使い捨て食器に至るまで、様々な製品に入る多目的プラスチック原料である。
LG化学側は8日の声明において、「現在の関係当局と共に正確な事故原因と被害状況などを調査しており、事実関係が把握され次第に後日発表する予定」と述べている。
(参考記事:「[特集]相次ぐ事故、LG化学で何が起こっているのか?」)
(画像:iStock)