サムスンの全個体電池、「日本との共同研究が成果の転換点」と研究者

韓国の中央日報は24日、サムスン総合技術院で全個体電池の研究に携わったイ・ヨンゴン氏とイム・ドンミン氏への単独インタビュー文を掲載した。両氏は、全個体電池に関する論文の共同著者だ。

最近、現代自動車のジョン・ウィソン副会長が、サムスンSDIの工場を訪れ、全個体電池についての説明を受けるなど、その存在が注目されている技術である。機密事項が多いため、取材は書面で交わされたとのこと。

中央日報の取材に対し、イ・ヨンゴン氏は、既存のリチウムイオン電池と比較するとサイズを半分以上に減らすことができたと述べたという。

イム・ドンミン氏は、「新たなブレークスルーがあったのはいつだったか?」という中央日報に質問に対し、「2018年にサムスン電子の日本研究所との間で共同研究を開始したのが、今回の成果ターニングポイントであった」とし、「両国の研究者たちが一ヶ月の半分以上を出張で行き来して技術開発に邁進し、1年余りの研究の末に結実した」と答えたという。

両氏は、商用化時期については明確な回答を避けたが、サムスンSDIの関係者は「越えなければならない最も大きな山は超えたが、残りの難題を解決するために4〜5年、量産までさらに1〜2年以上かかるだろう」とし、「日本のトヨタが全固体電池の分野で最も進んでいるとされるが、量産時期は大きく変わらないだろう」と説明したとのこと。

(参考記事:「[特集]注目されるサムスンと現代自動車の接近」)
(参考記事:「日本人含むサムスン研究部門、次世代バッテリー技術開発」)
 
(写真:次世代「全固体電池」の革新技術を開発した(左から)相原雄一Principal Engineer、イ・ヨンゴンPrincipal Researcher(第一著者)、イムドンミンMaster/サムスン電子提供)
 
 

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