UNIST「孔数と強度が増し、自己修復能力も持った多孔性金を開発」と発表

韓国ウルサン科学技術大学校(UNIST)は24日、新素材工学部キム・ジュヨン教授の研究チームは、「自己修復能力」を持つ3次元ナノ多孔性(nano porous)の金素材を開発したと発表した。同研究チームは、多孔質の金素材内部の気孔を小さくする方法を用いて、壊れやすい多孔質材料の欠点を解決した。

物質内部に微細な穴をたくさん作れば表面積が広がる。ナノ多孔質の金素材は内部に数十ナノメートル(㎚、1㎚= 1億分の1 m)の大きさの小さな穴がぎっしりとある。広い表面積のために反応性が良く、センサー、電極材料、触媒などに使用することができ、重量が軽く、金の持つ生体親和性のため、生体材料としても使用可能である。しかし、多孔性構造のために、小さな変形でも亀裂が起きやすく、活用に制約があった。

そこで、研究チームは、気孔を25ナノメートルサイズに減らし、むしろ耐久性が高くなった多孔質の金素材を作ったという。一般的に、気孔の数が多くなると強度が落ちるが、今回開発された素材は、気孔のサイズが小さいため強度が高くなるという。また、壊れた後も、自らくっつく力があるとのこと。破損した後でも、初期強度の約50%の水準まで回復したという。

研究者は、追加の実験によって強度が高くなる原因と自己治癒過程を明らかにした。拡散を介して動く金の原子破損した断面を埋めるために、気孔が小さくなると、表面に露出している金の原子割合が高くなり、原子がよく拡散されるからであるという。また、埋まる断面の形状が非常に尖っており、自己修復現象が促進されるとのこと。結果的に熱や電子ビームのような外部エネルギーなしに、切断面が軽く接触したときに自然に発生する力(圧縮応力)だけで亀裂が修復されたという。
 

(画像:自己治癒したナノ多孔性金の強度変化=UNIST提供)

 
今回の研究で、第1著者として参加したクァク・ウンジ新素材工学部博士は、「気孔が小さいほど表面に露出されている原子が多く、常温で原子の拡散(diffusion)がよく起こるという点と、金骨組みが飴のように切断されると(necking)その断面が気孔サイズ(25nm)よりも小さいことから、自己修復現象がよく起こる」と説明した。

開発された素材は、多孔質素材と金の両方の利点を備えている。気孔が全体積の70%を占め、軽量で、一般的な金に比べて表面積が10万倍以上広いという。また、電気伝導度が高く、化学的に安定しているうえ、生体にも適している。

キム・ジュヨン教授は「ナノ多孔性金は化学的に安定し、人体に無害な素材」とし、「今回の研究で、簡単に壊れるという弱点を克服しただけ様々な分野で活用されるだろう」と期待した。また、「破損した金の素材をリサイクルすることができるという点でも重要な研究」と明らかにした。

今回の研究では、ナノ分野の国際学術誌である「ナノレター」(Nano Letters)に8月14日付けでオンライン公開され、24日に正式発表される。

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