KAIST「酸化チタン新素材、板状MXeneの合成に成功」

KAIST(韓国科学技術院)生命化学工学科のイ・ジェウ教授の研究チームが、ナノ新素材「MXene」と二酸化炭素との反応を通じて、酸化チタンナノ粒子が均等に分布された板状構造のMXeneの合成に成功したことが8月25日、分かった。

イ・ジェウ教授の研究チームは、水溶液状態で表面をはがした(剝離した)MXeneと二酸化炭素との反応を通じて酸化チタンナノ粒子がMXeneの表面に均等に分布された板状のMXeneを合成した。研究チームが開発した、酸化金属が均等に分布された板状MXeneは単一工程で経済的であり、多様な分野に幅広く適用できると期待されている。

生命化学工学科のイ・ドンギュ博士課程学生が第一著者として参加した今回の研究結果は、国際ジャーナル、「ACS Nano」の7月30日にリリースされたオンライン版に掲載された。(論文題目: CO2-Oxidized Ti3C2Tx-MXenes Components for Lithium-Sulfur Batteries: Suppressing the Shuttle Phenomenon through Physical and Chemical Adsorption)

MXeneは電気伝導度が高く、柔軟性が優れているため、センサー、エネルギー貯蔵装置、エネルギー変換装置など、多様な分野で活用することができる新物質であり、特に、グラフェンやカーボンナノチューブを代替できる次世代物質として注目されている。

MXeneをリチウム・硫黄電池の正極材として活用するためには、活物質である硫黄を収容できる空間を提供しなければならない。また、充電・放電課程で生成された多硫化リチウムが電解質に溶け、負極に移動するシャトル現象を防止しなければならない。

MXeneは金属炭化物で、多孔質材料ではない上に、多硫化リチウムとの総合作用が少ない物質であるため、リチウム・硫黄電池の素材には適しない。研究チームはMXeneが含まれた水溶液に超音波を注入し、MXeneを剝離させ、MXene単一層を多量に製造した後、十分な空間を確保し、二酸化炭素とMXene層を反応させることで、MXene層の表面に多硫化リチウムが吸着する酸化チタンナノ粒子を多量かつ均等に分布させ、この問題を解決した。

研究チームが開発した酸化金属が均等に分布された板状MXeneの製作技術はMXeneの前駆体の種類にこだわらない。研究チームはこの技術を使用することで、長さ50 ~100ナノメートル(㎚)、直径20ナノメートル(㎚)のピーナッツの形のナノ粒子が形成された板状MXeneが製造可能であることを確認した。

研究チームのある関係者は「酸化金属板状MXeneの製造工程は水溶液処理、二酸化炭素との反応で構成された単純な工程であるため、温度、反応時間調節で多様な板状素子の製造、費用低減が可能であり、リチウム・硫黄電池の性能向上に寄与するはず」と説明した。

第一著者であるイ・ドンギュ博士課程学生も「二酸化炭素との反応を通じて製造された酸化金属板状MXeneはリチウム・硫黄電池の正極材のみならず、分離膜にフィルム状に成形しシャトル現象を二重に防止する膜を製造することができる」と言い、「均等な金属酸化物ナノ粒子が形成された板状MXeneは電極並びに多様なエネルギー貯蔵装置の素子に使用されるはず」と紹介した。

この研究は韓国研究財団のGlobal Research Development Center ProgramとKorea CCS R&D Centerの技術開発事業の支援を受けて行われた。

関連記事

特集記事

エレクトロニクス業界リサーチやコンサルティング、コーディネーションのご相談はこちらまで

ランキング

  1. 1

    シャープからサムスンに転職したエンジニアが語る「サムスンが優秀な理由」

  2. 2

    スマホ世界一のサムスン電子が日本市場で苦戦中、iPhoneとは対照的

  3. 3

    Galaxy S22の購入者、発熱問題でサムスン電子を相手に集団訴訟を予告

  4. 4

    味の素社が製造するABFの調達懸念で韓国半導体業界は非常事態に…なぜ?

  5. 5

    LCD事業の撤退を急ぐサムスンディスプレイ…今年6月に生産終了へ向け調整

  6. 6

    「二つ折り」サムスンの新商品フォルダブルフォン「フレックス」公開

  7. 7

    再びやってきたGalaxyの危機、「バッテリー爆発」Note7の事態を振り返る

  8. 8

    サムスン電子、横にもワイドな「ㄱ字型」のフォルダブルフォンを発売へ

  9. 9

    ウクライナ事態で希少ガス「ネオン」の価格が高騰…ポスコに関心集まる

  10. 10

    脱日本を宣言した韓国「素材・部品・装備」業界、この2年で何が起こったか

TWITTER

「Galaxy Z4 vs iPhone14 vs Mate50」韓米中の戦略スマホがビッグマッチ
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091603/

米EV補助金の中止で暗雲が立ち込める現代自動車グループ、解決策はあるか
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091602/

K-半導体、需要低迷による危機が懸念される中、韓国企業は投資で正面勝負に
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091601/

BOE、昨年米国での出願特許1位・サムスンDは2位…技術覇権争い激化
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091502/

サムスンSDI、独BMWと北米にEVバッテリー工場設立の可能性
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091501/

Load More
TOP