KAIST「高接着ファブリック基盤ウェアラブルエネルギーハーベスティング技術開発」

KAIST(韓国科学技術院)新素材工学科のホン・スンボン教授の研究チームが熱間圧接法を利用し、価格競争力と耐久性に優れたファブリック基盤エネルギーハーベスターの製造方法の開発に成功したことが9日、明らかになった。

ホン・スンボン教授の研究チームに所属するキム・ジェギュ博士課程学生が第一著者として参加したこの研究は、2019年12月23日に特許登録され、国際ジャーナル、Nano Energyの9月号に掲載された(5月22日にオンライン版掲載)。この研究は、DGISTエネルギー工学専攻のイ・ヨンミン教授の研究チーム、KAIST新素材工学科ノ・グァンス教授の研究チーム、同学の機械工学科のユ・スンハ教授の研究チームとの協業で遂行された。(論文題目: Cost-effective and strongly integrated fabric-based wearable piezoelectric energy harvester)

近年、ウェアラブル素子はセンサー、原動機、ディスプレイ、エネルギーハーベスティングなど、多様な応用分野で使用され、第四次産業革命が到来した以降、小型から内蔵型に、急速な発展を遂げている。これに伴い、既存の服に内蔵でき、心地良く、耐久性の優れたファブリックに基盤したウェアラブル素子が注目の的となっている。

このような長所にも関わらず、既存のファブリック基盤のウェアラブル素子は複雑な製造方法、設備施設による工程、及び価格の側面で壁にぶつかり、実用化には至っていない。また、素子内のファブリックと実際の駆動パーツの間の結合力不足、効率テストの不実施は素子の耐久性に疑問を持たせる。このような問題点を補完するため、簡単な工程、安い材料、新たな機械的特性分析技術などに関する研究が活発に行われている。

この研究は、複雑な工程、設備施設の代わりに、比較的簡単な方法である熱間圧接法を利用し、電導性ポリエステルファブリックと圧電高分子フィルム(Poly(vinylidene fluoride-co-trifluoroethylene)、P(VDF-TrFE))が結合されたファブリック基盤ウェアラブル圧電エネルギーハーベスターの製造方法を開発した。さらに、既存の耐久性テスト法である曲げ(bending)とともに、新たに導入した「表面及び界面切断分析システム(SAICAS, Surface and Interfacial Cutting Analysis System)」を利用し、ファブリックと高分子フィルムの間の界面結着力を測定することで、ウェアラブル素子の機械的耐久性の高さを証明した。

研究チームが開発した製造方法で提示した熱間圧接法は主にバッテリーや燃料電池セルの製作に使われ、2~3分で完了するほど素早く簡単で、高い接着力が得られる工程である。結晶化温度以下の、結晶化温度に近接した状態で高分子フィルムをファブリックに接着させると、高分子フィルムの表面がアモルファス化し、接触面の広く、でこぼこしたファブリックの表面にびっしりと接着され、縦糸と横糸との間からはみ出ることで、釘のような形で高い界面結合力を持つようになる。熱間圧接法を利用して開発されたウェアラブル素子は既存の衣類に接着できる応用可能性を持つため、工程のコストを削減できると期待されている。

一方、SAICASを利用した界面結着力の分析は、マイクロスケールでブレードを利用して定量的及び定性的に力を測定する方法であり、既存の界面結着力測定方法(剝離テスト、テープテスト、マイクロ伸縮性テスト)よりはるかに正確な分析技法で、この研究で初めてウェアラブル素子に導入された。SAICASを利用した界面結着力分析は高分子を利用したウェアラブル素子耐久性テストの新しい方法として今後使われと期待されている。

ホン・スンボン教授は「本研究で開発されたファブリック基盤ウェアラブル圧電エネルギーハーベスター製造技術はファブリック基盤素子の実用化可能性を一段と高くし、界面結着力分析を通じて高耐久性ウェアラブル素子のデザイン方向を提示した」と述べ、「この技術はファブリックと高分子を利用した他の素材の製造工程及び分析に関しても、新たな礎を築くことができると展望する」と展望した。

この研究はKAIST HRHRP事業、科学情報通信部財源の韓国研究財団が支援する基礎研究事業と中堅研究事業、ウェアラブルプラットフォーム素材技術センタの支援及びKAISTグローバル特異点研究事業の支援で遂行された。

(画像:KAIST提供)
 

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