[特集]iPhone12が売れると韓国企業が儲かる…ディスプレイなど独占供給

iPhone12が14日発表された。

iPhone12シリーズは、iPhone 12 mini / iPhone 12 / iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Maxの史上最多4モデルの展開となり、5G対応などで大きな注目を集めた。そんなアップルのiPhone12だが、実は韓国製のパーツが多く使用されている。
 

iPhone12のディスプレイはすべて韓国製品

代表的なものとしてOLED(有機EL)ディスプレイパネルが挙げられる。

アップルは2017年から液晶とOLEDを併用。昨年出したiPhone11シリーズでは、最上位機種のみOLEDが搭載された。OLEDパネルの価格が液晶パネルよりも2倍近く高いからである。しかし、5Gに対応すると消費電力が増えるため、大型のバッテリーを採用することになるため、液晶より軽いOLEDが選ばれたと推測されている。
 

(画像:iPhone12=アップル提供)

 
そのOLEDパネルを納品したのはサムスンディスプレイとLGディスプレイだ。今年出荷されると予想される8000万台のうち、サムスンディスプレイが6000万枚、LGディスプレイが2000万枚を供給することが分かっている。LGディスプレイがiPhone12にパネルを供給し、他の3モデルはすべてサムスンディスプレイが供給するようだ。いずれにしろ、iPhone12のディスプレイパネルはすべて韓国製品ということだ。

中国のBOEもiPhoneへのパネル供給に挑戦していたが、アップル側の品質基準を満たせず不採用となったと伝えられている。しかし、性能を向上させ、次回以降のモデルに採用される可能性は十分にあるものとみられている。

スマホ向けを中心とする中小型OLEDパネルはサムスンディスプレイが市場シェア約9割を握るとされる独断場だが、ここにLGディスプレイが食い込んだ形だ。大型OLEDパネルを独占するも、先行投資や収率の問題で苦しんだ同社だが、今回の「iPhone特需」により、一気に黒字転換する見込みだ。アップルとしても、供給先を分散することが交渉上優位に立てる。

ちなみにアップルは今年、サムスンディスプレイに対して、9億円5千万ドルの違約金を払ったとみられている。理由は、新型コロナウイルスの影響などでiPhoneの注文が思ったより伸びず、それに伴いパネル注文量も減ったことから、その補填と伝えられる。

ちなみに、来年発売されるであろうiPhone13(仮)のパネルに関しても、韓国メディアではすでに報道が出ており、今年7月には同国のetnews(19日)が、「アップルが2021年のiPhone用ディスプレイ規格にタッチ一体型OLEDを注文した」と伝えた。
 

 
カメラモジュールも韓国企業が独占的供給か

iPhone12はトリプルカメラに加え、上位2モデル(iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Max)にはToF(距離測定)センサー「LiDAR」が搭載される。ToFセンサーを搭載することによってカメラ機能が向上し、写真や動画のピント調節がより楽になるとされる。暗闇でもオブジェクトを認識し、最速でピントを合わせる。

iPhone12のトリプルカメラモジュールとToFセンサーについては、韓国LGグループの系列社であるLGイノテックが独占的に供給すると韓国各紙で報じられている。他にも5G用ミリ波アンテナ基盤も供給する。

これを受け、LGイノテックの業績予想もかなり明るい。ハナ金融投資のキム・ロッコ首席研究委員は、同社の第四四半期(10~12月)の売上・利益が過去最高となる予想した。
 

(画像:iPhone12のカメラ部分=アップル提供)

 
カメラモジュールに関しては、交渉上の理由から、アップルは他の(韓国の)業者を探していたとの報道があったが、結果的にLGイノテックのみとなった。

これについてキム研究員は、「毎年、供給先の多様化問題が繰り返される中、LGイノテックの地位が維持されたのは、顧客(アップル)と長期間にわたり呼吸を合わせた対応力が良好だったから」とし、「顧客の方でもハイスペックモデルを何年も引き受けてきた企業を短期間で変えることは負担になる」と分析した。

メリッツ証券のチュ・ミヌ研究員は、「ミリ波アンテナ基盤に関しては他社の収率が良くないことからLGイノテックに注文が集中した」とし、同基盤を作る同社の事業部が全体利益の40%以を占めると予想した。
 

その他の韓国製品

上記以外にも韓国製品は多く使われている。

OLEDに必要なリジッドフレキシブル基板(RF-PCB)を製造するビーエイチ社(BH Co.Ltd)も注目されている。証券会社予想では、同社も「iPhone12特需」により好実績が予想される。

セラミックコンデンサ(MLCC:Multi Layer Ceramic Capacitor)を提供するサムスン電機も好業績が期待されている。

それ以外にも、カメラ検査装置を納品するハイビジョンシステム社や、カメラ補強材やブラケットを供給するドグ電子(Derkwoo Electronics)、バッテリーの保護回路を供給するアイティーエム半導体社(ITM Semiconductor)なども「iPhone特需」による業績向上が予想されている。

ちなみに韓国といえば、アップルとスマホ世界シェアを争うサムスンのお膝元だが、そのサムスンも(系列である)サムスンディスプレイやサムスン電機を通じてiPhone新製品で儲けており、エレクトロニクス複合企業というポジショニングの妙を改めて感じさせる。
 
(参考記事:「[特集]日韓報道からみる、最近のアップルの有機ELパネル調達動向」)
(参考記事:「「アップルが韓国でTOFモジュール供給先を物色」と韓国紙」)
(参考記事:「「LGイノテック、iPhone向け光学ソリューション好調で10~12月に期待」と証券社分析」)

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