韓国経済研究院(KERI)によると、出生率の低下などによる高齢化により、韓国製造業の人材構造が急速に高齢化していることが分かった。高齢化が進む日本よりも、製造業での高齢化が急速に進んでいることから、韓国経済の成長潜在力が急速に低下するとの指摘が出ている。
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韓国経済研究院によると、最近20年間(1999〜2019年)における韓国と日本の製造業高齢化の推移を比較した結果、韓国の製造業労働者の平均年齢は、1999年には35.5歳だったのが2019年には42.1歳と6.6歳分高くなったのに対し、日本は40.4歳から42.7歳へと2.3歳分上昇したという。
韓国の製造業の労働者は、増加幅基準で、日本に比べ2.9倍の速さで高齢化していると韓国経済研究院は指摘した。 1999年時点での韓国の製造業の労働者は日本よりも4.9歳若かったが、2019年には差が0.6歳まだ縮小した。
韓国経済研究院は過去20年間の統計を基に、2022年から韓国製造業の労働者が日本よりも高齢化すると推定している。
韓国経済研究院のチュ・グァンホ経済政策室長は、「(韓国の)主力産業である製造業の急速な高齢化は、生産性の低下に伴う潜在成長率の低下を引き起こし、特に韓国の号俸(ごうほう)中心の賃金体系と労働市場の硬直性を考えると、企業の人件費負担の新規採用余力の減少につながる」と憂慮した。
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