オランダのASMLが独占供給する極紫外線(EUV)露光機をめぐって韓国サムスン電子と台湾TSMCの「調達競争」が激しくなるなか、EUV工程に必要な機器についても両社が積極的に調達に動いているようだ。
(参考記事:「サムスン総帥がオランダASML訪問、EUV装置やAI半導体などで協議」)
韓国の有力専門メディアであるetnewsは14日、業界情報を基に、「EUV超微細工程に必要な高度な機器を《青田買い》するため、サムスン電子やTSMCなどの半導体メーカーが熱い競争が繰り広げている」と報じた。
同紙は該当する機器として、EUV用マスクに回路形状を刻むための電子ビームマスク描画装置と、同マスク検査装置を挙げた。いずれもEUV露光機同様、独寡占市場になっているという。
E-ビームライターはオーストリアのIMSの製品が、EUV用マスク検査の分野では日本のレーザーテックがそれぞれ独占生産する状況だが、生産台数がASMLの露光機に比べ極めて少ない状況であるという。
Etnewsは、「そのため、5ナノ(㎚)以下のEUV工程の量産システムが用意されたとしても、これら機器を適時に確保できないチップメーカーは、生産性と品質の確保が難しくなる」と分析した。
サムスン電子とTSMCなど超微細工程の実装を目指する半導体企業は、これら機器の購入するために熾烈な争奪戦を繰り広げる見通しであると同紙は伝えている。
(参考記事:「ファウンドリ市場、TSMCとサムスン共に売上大幅増か…10~12月期」)
(参考記事:「サムスンが米国に100億ドル規模のEUV半導体工場を建設か…ファウンドリ事業拡大」)
(参考記事:「韓国の10月のICT輸出、半導体やファウンドリ好調で5カ月連続増…対日本は不振」)