韓国の中西部に位置する忠清南道(チュンチョンナムド)は19日、道庁でダイキン工業と420億ウォン(約40億円)規模の投資協約(MOU)を締結したと発表した。
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同日の協約式にはヤン·スンジョ知事とキム·ホンジャン唐津(タンジン)市長、平尾恭久ダイキンコリア代表らが参加した。
今回の協約により、ダイキン工業は韓国のC&Gハイテク社と合弁法人を新設し、唐津(タンジン)·松山(ソンサン)2の外国人投資地域3万4070平方メートル(約1万306坪)の敷地に半導体製造用ガス(エッチングガス)生産工場を新築する。
ダイキン工業は新築工場で日本現地生産·納品してきた半導体製造用ガスを都内で生産·販売する方針で、来年10月からエアコン用冷媒ガスの純度を高め、半導体製造に適した高純度ガスを生産する計画だ。 生産したガスはクライアントのサムスン電子、SKハイニックスなど国内半導体メーカーに納品する予定だ。
ダイキン工業は今後5年間、約420億ウォン(約40億円)(外国人投資金額約281億ウォン、約27億円))を投資し、これによる道内の新規雇用効果は50人余りに上ると予想される。
忠清南道(チュンチョンナムド)と唐津(タンジン)市は、電気、ガス、用水、下水·排水処理などのインフラ設備部門に協力し、事業の許認可取得及び工場建設過程で発生する困難の解消を支援することにした。
ヤン知事は「昨年、コロナ19の拡大による世界景気の鈍化、グローバル貿易の減少など多くの困難があったが、コロナ19に触発された非対面経済の活性化で情報通信(IT)産業の輸出好調は堅調になった」とし「韓国経済の支えとなる電子部品のすべての製造工程に必要不可欠な要素がまさに半導体用ガスだ」と述べた。
続けて、「韓国半導体製造用ガス市場で28%のシェアを占めているダイキン工業との連帯·協力は非常に重要だ。唐津(タンジン)·松山(ソンサン)2の外国人投資地域に新設される工場は韓国製造業の高付加価値を創出する上で心強い力になる」と強調した。
(画像:ダイキンコリアとサムスン物産との合弁企業設立についてのC&C社の公示=韓国金融監督院データベース)
今回、ダイキンコリアと合弁を設立するC&Gハイテク社の公示によると、合弁会社は「Daikin Advanced Materials Korea Co., Ltd.(仮称)」となっており、資本金は10億ウォン(約9400万円)、発行株式総数は2万株で、うち4千600株(23%)をC&Gハイテク社が取得するという内容になっている。また、同合弁会社にはサムスン物産も参加することが明記されている。
(参考記事:「東京応化工業がEUVフォトレジストを韓国で生産…韓国国営ニュース報じる」)
(参考記事:「[特集]フッ化水素を内製化したSKグループ、半導体事業でさらなる動きも」)
(参考記事:「韓国企業が「クォーツ」を国産化か…対日依存高い半導体先端素材 市場規模は1千億円超」)
(写真:忠清南道庁で行われた投資協約式=同庁提供)