サムスン電子が、ルネサス(東京都江東区)を買収するとの見方が浮上している。
(参考記事:「韓国ロッテケミカルがJSRの事業買収で前進か…「主幹事は野村證券」と韓国紙」)
サムスン電子が28日に開かれたカンファレンスコールにおいて、M&Aを推進することを公式発表したことから、その買収先が注目されるなか、韓国の有力経済紙である韓国経済新聞は31日、有力対象としてルネサスを含む3社を挙げ、「市場の目線が自動車半導体業界に注がれている」と報じた。
同紙は、サムスン電子とM&A業界の情報源をもとに、買収候補に上がっている企業はオランダの「NXP」、米国の「テキサス·インスツルメンツ(TI)」、日本の「ルネサス」であると報じた。続けて、「業界ではサムスン電子がNXP買収を検討しているという説が絶えず提起されてきたが、サムスン電子は以前から複数の企業の中で最も条件に合う対象を探してきた」とし、サムスン電子側がすでにNXPとTIの事業所を実査したとの業界関係者コメントを伝えた。
韓国経済新聞は、「車両用アプリケーションプロセッサー(AP)、インフォーテインメントなど技術力量が優れたNXPは、(サムスン傘下の)ハーマンとのシナジーが大きいと予想される」とし、「TIはアナログ半導体のノウハウを活用し、高電圧に強い半導体製造技術に特化した。強い電流が流れる電気自動車用半導体に必須の技術である」と指摘。
ルネサスについては、「マイクロコントローラーユニット(MCU)分野の先頭メーカーだ」とし、「車両向け半導体市場で最も大きな割合(30%)を占める部品であり、ルネサスのMCUシェアは31%でNXPと並ぶ」と評価しつつも、「冷え込んだ韓日関係と企業文化の違いなどがネックとして指摘される」と伝えている。
韓国経済新聞によると、「業界では、ハーマン買収後、最大規模のディールが誕生するという予測が支配的だ」としている。サムスン電子が現金性資産だけでも116兆ウォン(約11兆円)(昨年第3四半期末基準)を有することから、「M&Aが数件実現する可能性もある」と同紙は伝えいている。
(参考記事:「[特集]サムスン終わりの始まりか…総帥の実刑判決でコングロマリット空中分解の恐れ」)
(参考記事:「「インテルがサムスンにGPU生産委託か」米紙報じる」)
(参考記事:「SKハイニクス、EUV露光装置の設置を開始…次世代DRAM生産本格化」)
(写真:iStock)