サムスン電子が台湾TSMCを含む外国企業に汎用半導体の生産を委託するとの報道が出ている。同社が生産を外部委託するのは異例のことだ。
(参考記事:「半導体不足で「Galaxy S21」の生産にも支障か…サムスンファウンドリにも注文殺到?」)
韓国の毎日経済新聞は25日、「台湾のファウンドリ企業UMCがすぐにサムスン電子の半導体を量産する予定であり、サムスン電子は、米国のグローバルファウンドリー(GF)に量産を任せる計画も検討することが分かった」と単独スクープした。
背景について同紙は、「サムスンが(自社の)ファウンドリ設備(生産キャパ)不足が短期的には解決されないという判断に基づいて《生産外注化》を本格的に拡大する計画だ」としつつ、「サムスン電子がファウンドリ事業を軌道に載せた2000年代半ば以来、自社製品の生産を外部に任せるのは異例だ」と指摘する。
毎日経済新聞によると、サムスンは台湾UMCにスマートフォンのカメラなどに使われるCMOSイメージセンサーの生産外注契約を結んだとされ、UMCは28ナノメートル(㎚・1㎚は10億分の1m)工程で、サムスン電子イメージセンサーを量産するという。同紙は、サムスン側はすでに昨年からUMCと製品開発協力を開始していたとの関係者コメントを紹介しており、ディスプレイドライバ集積回路(IC)のような汎用半導体の外注も対象のようだ。
サムスン電子はUMC以外にも米GF(グローバルファウンドリ)への委託も検討しているという。GFは2014年にサムスン電子とライセンス契約を結んで14ナノプロセス技術の移転を受けるなど協力実績がすでにある関係だ。
同紙は他にも、「間もなくTSMCにも委託生産を要請する可能性がある」との業界関係者コメントを紹介している。
(参考記事:「「韓国政府は台湾に自動車用半導体の増産協力を要請すべき」関連団体が提言」)
(参考記事:「サムスンが米工場に3ナノEUVライン等設置か…内外メディア報じる」)
(参考記事:「サムスンの米半導体工場がシャットダウン…公営電力会社が命令」)
(参考記事:「韓国企業が「日本が独占する極薄銅箔の国産化に成功」発表…サムスンの半導体に適用へ」)