韓国研究チーム、ヒトの耳を模倣した音声センサーを開発

韓国科学技術院(KAIST)新素材工学科のイ・ゴンゼ教授とワン・ヒスン博士の研究チームが共振型柔軟圧電音声センサ(音声によってセンサの膜が振動する際、共振現象が発生し、より精度の高い電気信号が得られるセンサ)の開発に成功し、正確度の高い超高感度の人工知能基盤話者識別技術、音声セキュリティー技術を具現したことが2月15日、明らかになった。研究チームは、スマートフォンや人工知能スピーカーにこの技術を適用するなど、製品化にも成功した。

ヒトは、蝸牛にある台形の膜が可聴周波数帯域で共振現象を発生させ、音を増幅させることで、遠距離からの音を認識することができる。研究チームは、この原理の効果を極大化するために、薄い柔軟圧電膜を用いてヒトの耳を模倣し、複数の共振チャンネルを具現することで、音を超高感度で識別できる共振型音声センサを製作した。

イ・ゴンゼ教授の研究チームは、2018年度に共振型柔軟圧電センサの概念を世界で初めて提示したことに続き、今回の研究では、センサの構造による共振、周波数、圧電膜の役割などを理論的に明らかにし、小型化、性能向上した音声センサを開発した。

柔軟圧電音声センサは、遠距離でのスマート機器の正確な制御が必要なモノのインターネット技術と、暗号化が必要なセキュリティー技術を組み合わせることで、消費者カスタマイズサービスの提供に大きな役割を果たすと展望されている。

ヒトの耳を模倣した共振型音声センサは、SN比(Signal to noise ratio; 信号に対するノイズの割合)が高いため、優れた音声認識機能を持つ。また、多数のチャンネルを保有するため、人工知能音声サービスに入力されるデータ量が比較的少なくでも、話者識別精度は高いという特長がある。実際に、研究チームが開発した音声センサと市販の静電容量式マイクロフォンとの性能の比較を行った結果、音声分析及び話者識別において、研究チームの開発したセンサの認識率がより高く、条件を変更することで正認識率は60%から95%まで向上した。

研究チームが開発した試作品は、イ・ゴンゼ教授が創業したFRONICS社を通じて2020年度コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES 2020)で公開されたことがあり、現在は、より完成度の高い人工知能音声技術を見せ、アメリカ支部を通じた、シリコンバレーのIT企業との協業も推進されている。

イ・ゴンゼ教授は、「今回製品化されたモバイル音声センサは高い敏感度を持ちながらも、大きさを画期的に小さくしたため、未来の人工知能技術を駆動する革新的なセンサになりうる」と述べ、「現在は、量産及び商用化の工程も完成段階であり、もうすぐ実生活に適用できるはず」と説明した。

この研究は、韓国研究財団のヒューマンプラス人工知能センサセンターの支援で遂行された。また、この研究は、2月12日、国際ジャーナル、Science Advancesに掲載された。(論文題目: Biomimetic and flexible piezoelectric mobile acoustic sensors with multiresonant ultrathin structures for machine learning biometrics)
 
(参考記事:「KAISTの研究チーム「解像度高めた薄型4Dカメラを開発」発表」)
(参考記事:「KAISTの研究チーム、深層学習を利用した遺伝子転写因子予測システムを開発」)
(参考記事:「韓国KAIST「次世代量子光源のための半導体量子ドット対称性制御技術を開発」」)
 
(写真:iStock)

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