蔚山科学技術院(UNIST)は22日、物理学科のバク・ギョンドク教授の研究チームが独自に開発したナノ顕微鏡を用いて2次元半導体ナノの皺の制御と観察に成功したと明らかにした。
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同技術により2次元半導体において欠陥とみられたナノ規模の微細な皺が、発光素子の製作に有利な特性がある点が実験的に証明され、紙のように薄く曲げられるディスプレイなどの次世代電子素子の開発に貢献できる見通しであると説明された。
研究チームによると、2次元半導体材料は厚さが原子レベルの薄すさで、製造過程で数十ナノメートル(㎚・10億分の1m)レベルの皺が必然的に生じるが、この皺は、半導体材料の機械的・電気的・光学的均一性を害する要素として挙げられる。
皺のサイズが小さく、従来の分光技術では、正確な特性評価が不可能であり、特性を部分的に精密に制御することができる技術がなく、2次元半導体の商用化が遅れる要因となっていた。
研究チームは、「能動型プローブ増強光発光ナノ顕微鏡」技術を独自開発し、この問題を解決したという。
このナノ顕微鏡は、ナノ皺の構造・光学的特性などを15㎚レベルに分割精密分析することができ、その特性を自由に調節することができる。
ナノ顕微鏡は、金プローブに皺を微細に押しながら観察するように動作される。
プローブは、ナノ皺からの弱い発光信号を増幅させるだけでなく、皺の外観を精密に変えることができるが、皺の形が変わると関連付けられている各種の物理的特性が変わることになる。
研究チームは、この技術で「光の粒子」と呼ばれるエキシトンがこのセレン化タングステンのナノ皺に集まる「エキシトン漏斗」現象を究明した。
光の粒子が皺に集まるナノ皺の発光特性が、むしろ皺がない状態よりも優れていることを実験的に証明したものと研究チームは説明した。
バク・ギョンドク教授は「今回の研究は、物質の構造的・光学的特性を、3次元空間での超高分解能で分析するとともに、原子顕微鏡技術を組み合わせて物質の機械的特性と電気的・光学的特性をリアルタイムに制御する4次元複合顕微鏡を開発した」とし、「ナノ顕微鏡の新しいパラダイムを提示した」と述べた。
研究結果は、国際学術誌「アドバンストマテリアルズ」(Advanced Materials)の11日付でオンライン公開され、表紙論文に選ばれて正式発表する予定だ。
ナノ顕微鏡の源泉技術は、特許出願された。
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