韓国KIST「半導体材料でEVバッテリー火災を防ぐ電極を開発」

電気自動車バッテリーの火災原因の一つであるデンドライトの生成を半導体材料で防ぐことができる技術が韓国の研究グループによって開発された。リチウムイオン二次電池の爆発の危険性を、半導体技術で大幅に削減することができるものと思われる。

27日、韓国科学技術研究院(KIST)はイ・ジュンギ=エネルギー保存研究団博士チームが、半導体素材を活用して、バッテリーの火災原因のデンドライト形成をブロックすることができる電極を開発したと発表した。

イ博士のチームは、導電性が高い半導体材料であるフラーレン(C60)をプラズマに露出させて、リチウム金属電極と電解質との間に半導体薄膜を作った。この薄膜は、電子は通過させ、リチウムイオンは通過させない。電極表面に電子とイオンが会うことができないのでリチウム結晶が形成されず、デンドライトの生成を根本的に遮断することができる。

デンドライトは、リチウムイオン二次電池の火災の最大の原因であることが分かった。バッテリー充電時にリチウムイオンがリチウム金属に保存される過程で、表面に木の枝の形の結晶が形成されることを意味する。電極の体積を膨張させて、電極と電解質との間の反応を起こし、火災を誘発する。電池の性能も低下させる。

KISTは、電極の安全性を実験した結果、イ博士チームが開発した電極が1200サイクルの間にリチウムデンドライトが生成しなかったと述べた。

イ・ジュンギ博士は「今回開発された技術は、従来のリチウム金属から発生する金属デンドライトの発生を抑制しつつ、火災の危険性がない安全な次世代二次電池の開発のための次世代融合型基盤技術として注目され、期待される」と述べた。

続いて「今回の半導体薄膜を形成するために使用した高価なフラーレンではなく、他の安価な素材を使用して、本技術を適用する研究を行う予定」とし「材料、工程のコストを下げ商用化に一歩近づいていく」と付け加えた。
 
(参考記事:「[特集]ヒュンダイ「コナEV」の火災原因(韓国当局発表全文)」)
(参考記事:「KISTが「リチウムより安全な亜鉛イオンバッテリー開発」と発表」)
(参考記事:「KISTが伸縮性を有するリチウムイオン電池開発」)

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