米国メモリー半導体企業マイクロンが、サムスン電子やSKハイニクスに先駆け最先端DRAM・NAND型フラッシュをリリースしたのに続き、量産においてもリードをし、次世代メモリー市場の攻略に拍車をかけていることに韓国紙が警鐘を鳴らしている。
(参考記事:「サムスンなどDRAM3社、米で集団訴訟受ける…価格談合疑い」)
サンジャイ・メロトラ マイクロン最高経営責任者(CEO)は2日、台湾「コンピューテックス2021」フォーラムでの基調講演を通じ、1αナノメートル(㎚・1㎚は10億分の1m)LPDDR4x DRAMの大規模な量産を発表した。マイクロンは、AMD・エイサーといった顧客に1αナノのDRAMを供給している。マイクロンの1αナノDRAMは、サムスン電子、SKハイニックスの14ナノDRAMに該当する。 14ナノDRAMを大規模で量産するのはマイクロンが世界初だ。
韓国の毎日経済新聞は、「サムスン電子など韓国企業が投資タイミングを逃しマイクロンの追撃を許している」という懸念が出ているとの韓国業界談を紹介し、「国内(韓国)半導体業界関係者は、マイクロンが半導体プロセス微細化の主役であるEUV露光装置を使わなくても、14ナノDRAMの開発に成功したことに注目をしている」と伝えた。サムスン電子とSKハイニクスは10ナノ前半級のDRAMからEUV工程を適用しているが、マイクロンは一世代前の深紫外線(DUV)技術で最先端のメモリーを作るからだ。「マイクロンが極紫外線(EUV)無しに技術格差を狭めている事に恐怖を感じている」との業界関係者コメントも同紙は伝えた。
同紙はまた、日本経済新聞の記事を引用し、マイクロンが最近サムスン電子、SKハイニックスで、キオクシア (旧東芝メモリー事業部)出身のエンジニアを多数採用し、米国と日本の拠点で生産技術の開発に参加させたと伝えている。
ただし、一部ではマイクロンが量産したと明らかにされる1αナノDRAMや176段のNANDが、サムスン電子、SKハイニックスの製品と同等の性能を備えていることを検証していないとの批判もあると同紙は指摘している。
(参考記事:「サムスンの最先端メモリ基地、来年にも量産突入か…第7世代V-NANDとEUV適用DRAM生産」)
(参考記事:「SKハイニクス「6月からEUVラインでDRAM量産」発表」)
(参考記事:「「キオクシアへの投資資金を回収する考えない」SKハイニクス社長」)
(写真:iStock)