サムスン電子が次世代「8ナノRF(Radio Frequency)工程技術」を開発し、5G移動通信用の半導体ファウンドリサービスを強化する。
サムスン電子は8ナノRFファウンドリでマルチチャンネル、マルチアンテナを支援する5G通信用RFチップをワンチップソリューションで提供し、サブ6GHzからミリ波(mmWave)まで、5G通信半導体市場を積極的に攻略する計画だ。
サムスン電子は、2015年に28ナノ12インチRF工程ファウンドリサービスを始めた後、2017年に業界で初めて本格的に量産を始めた14ナノを含め、8ナノまでRFファウンドリソリューションを拡大した。
RFチップは、モデムチップから出るデジタル信号をアナログに変換して、我々が使える無線周波数に変え、逆にモデムチップに伝送したりする無線周波数の送受信半導体として、周波数帯域変更とデジタル‐アナログ信号の変換をするロジック回路領域と周波数受信、増幅などの役割を果たすアナログ回路領域として構成される。
(画像:サムスン電子提供)
サムスン電子は2017年から現在まで、プレミアムスマートフォンを中心に、5億個以上のモバイルRFチップを出荷し、市場リーダーシップを維持している。
サムスン電子の8ナノRF工程は、以前の14ナノ工程に比べRFチップの面積を約35%減らすことができ、電力効率も約35%向上する。
半導体工程が微細化するほどロジック領域の性能は向上するが、アナログ領域では狭い線幅により抵抗が増加し、受信周波数の増幅性能の低下、消費電力増加などが発生する。
サムスン電子は、少ない電力を使用しながらも信号を大きく増幅できるRF専用半導体素子「RFeFET™(RFextremeFET)」を開発し、8ナノRF工程に適用した。
特に、サムスン電子はRFeFET™の電子が流れる通路であるチャンネル(Channel)周辺部に特定素材を適用し、物理的な刺激を通じて電子移動特性を極大化した。
RFeFET™の性能が大きく向上し、RFチップのトランジスト全体の数が減って消費電力を減らすことができ、アナログ回路の面積も小さくすることができる。
サムスン電子ファウンドリ事業部技術開発室のイ・ヒョンジンマスターは「工程の微細化とRF性能向上を同時に実現したサムスン電子の8ナノ基盤RFファウンドリは、小型・低電力・高品質通信の長所を備え、顧客に最適のソリューションを提供する」とし「サムスン電子は最先端RFファウンドリの経済力を土台に、5Gをはじめとする次世代無線通信市場に積極的に対応していく」と述べた。
サムスン電子は、超微細工程の技術力、安定的な量産体制、ファウンドリ生態系拡大などを通じ「半導体ビジョン2030」の達成に拍車をかける計画だ。
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