韓国研究財団は7日、ソンギュングァン大学校のキム・ソングク教授の研究チームが2次元半導体物質、二硫化モリブデンの多結晶大面積成長技術に基盤した能動イメージセンサアレイシステムを開発したことを明らかにした。
均一な大面積二硫化モリブデンの合成法の研究や、実際の電子素子、光電子素子への適用の研究が活発に行われている中、研究チームは、商用半導体蒸着装備を利用した合成法で作った二硫化モリブデン基板で、既存より敏感度の100倍高いイメージセンサを制作した。具体的には、物理的気相蒸着法に化学的気相蒸着法を加えた、2段階気相蒸着法で、シリコンウェーハ(4インチ)に二硫化モリブデンを均一に成長させた。
研究チームは、物理的気相蒸着に使用された実験室水準の4インチ蒸着設備の代わりに商用設備を利用する場合、面積拡張ができると展望している。
今回作られた二硫化モリブデンを光電子素材層として利用し、イメージセンサを実際に制作した結果、高い敏感度(光反応性: 120 A/W)を見せることが確認された。実際、自律走行などに適用されているCMOSイメージセンサの光反応性が 0.5A/W以下であることを考慮すると、今回開発されたイメージセンサの光反応性は極めて高い水準である。さらに、研究チームは、成分分析とシミュレーションを通じて、高い光反応性の原因も明らかにした。高い光反応性は、光センサなどの、多様な光検出器への応用可能性を裏付ける。
今回の研究のように、二硫化モリブデンなどの転移金属カルコン化合物でウェアラブル機器、ディスプレイ、エネルギー素子、バイオセンサなどに使われる電子素子を作ることができれば、柔軟性と透明性を高め、ユーザー親和的インタフェースの具現に寄与できると期待される。しかし、そのためには、合成過程における電気的特性低下問題を解決するための大面積成長法への持続的な研究が必要である。
この研究は、6月11日、国際ジャーナル、Nature Communicationsに掲載された。
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