(画像出典:LGディスプレイ)
LGディスプレイが中小型OLED(有機発光ダイオード)市場で中長期的成長に向け、京畿道坡州(キョンギド·パジュ)に3兆ウォン(約2791億円)以上を投じて新規工場の建設に乗り出す。韓国ニュース1が17日報じた。
中小型OLEDの主流であるスマートフォン市場で、日増しにメーカー各社がOLEDパネルの採用を増えている中、市場競争力やシェアを引き上げるための戦略と見られる。
LGディスプレイは、中小型OLED生産施設への新規投資に計3兆3000億ウォン(約3070億円)を投入すると、17日明らかにした。LGディスプレイは今月13日に開かれた取締役会で、こうした内容を決議した。
投資金額は3兆3000億ウォン(約3070億円)に達する。これは今年第2四半期のLGディスプレイの営業利益7011億ウォン(約652億円)の4倍以上に相当する規模だ。
会社側は投資目的について「中小型OLED市場に対応するための生産能力確保」と説明した。投資期間は3年で、2024年3月に終了する予定だ。
投資地域は、LGディスプレイ本社のあるパジュ事業所だ。今回の投資決定を通じ、LGディスプレイはパジュに第6世代(1500ミリ×1850ミリ)の中小型OLED生産ラインを構築することになる。
新規ラインは、LGディスプレイの公示どおり、2024年3月ごろ終了し、本格的に稼動するものと予想される。
業界ではLGディスプレイが既存生産ラインの拡張と新規第6世代の追加を通じ、中長期的にパジュで6万枚の中小型OLED生産能力を備えるものとみている。
特に、今回の投資は、LGディスプレイの中小型OLED市場で、戦略的重要顧客であるAppleと密接な関連があるという。
2019年下期から、LGディスプレイはAppleのスマートフォン「iPhone」シリーズに搭載されるOLEDパネルの供給を始めた。これまでサムスンディスプレイが唯一支援してきた「独占供給」体制が崩壊したのだ。
今回新設する第6世代中小型OLEDラインも中長期的にAppleへの円滑なパネル納品のための目的であると、業界は分析している。
LGディスプレイは今回の投資を通じ、中小型OLEDを採用したハイエンド製品市場に積極的に対応し、中長期的な成長を推進する方針だ。
あわせてLGディスプレイは、サムスンディスプレイの支配力の高い中小型OLED市場でのシェア率上昇も図るものと見られる。
市場調査会社オムディアによると、LGディスプレイは昨年末基準で、中小型OLEDパネル市場で、売上基準12.3%のシェアを記録した。これは中国のBOE(8.7%)より高く、業界トップのサムスンディスプレイ(73.1%)よりは低い水準となっている。
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