(画像出典:韓国メディアMoney Today)
SKイノベーションがバッテリー事業の領土拡大に拍車をかける。これまで、電気車向けラミネート型バッテリーだけに力を入れてきたとするならば、ここで認められた技術力を基に、今後、角型バッテリーやエネルギー貯蔵装置(ESS)市場にも参入できるチャンスを積極的に模索しようとする動きと見られる。韓国マネートゥデイ社が報じた。
16日、バッテリー業界によると、SKイノベーションは最近、中途採用公募を通じ、角型バッテリー部品の開発や設計、組立、工程など、全般にわたって人材の確保に乗り出している。該当分野で3年以上の経歴、または博士号所持者が対象だ。
SKイノベーション側はこれについて「多様な応用技術のために採用中」とし「技術確保を推進中で、まだ商業化は未定」と明らかにした。
現在、電気自動車に使われるバッテリー形状は、大きく円筒型、角型、ラミネート型の3種類に分けられる。このうちSKイノベーションは、ラミネート型バッテリーだけを量産してきた。LGエナジーソリューションが円筒型とラミネート型を、サムスンSDIが円筒型と角型バッテリーを生産している。
角型バッテリーに関心が寄せられたのは、今年3月に世界最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが「パワーデー」を通じて「統合型セル」(Unified cell)と呼ばれる角型バッテリーを導入すると発表してからだ。フォルクスワーゲンは2030年まで角型バッテリーの比重を80%まで増やし、残りをその他のバッテリータイプを採用する計画だ。
角型バッテリーを生産する中国CATL、サムスンSDIに好材料として働く反面、角型バッテリーを生産しないLGエナジーソリューションやSKイノベーションには短期的に否定的なニュースと分析された。
電気自動車市場は急成長するはずなので、LGエナジーソリューションやSKイノベーション共に、フォルクスワーゲンの企業政策変更に長期的に受ける影響は限られたものだと見込んだ。
ただ、SKイノベーションバッテリー事業代表チ·ドンソプ氏は、6月のインターバッテリーイベントで記者から、円筒型、角型など異なるデザインのバッテリーについて悩んでいるのかという質問に対し、「複数検討中」とし、事実上、外部環境の変化に機敏に対応し、内部的に事業機会を模索していることを示唆した。
SKイノベーションのバッテリー事業のポートフォリオを拡張しようという試みはまたある。ESSだ。LGエナジーソリューションとサムスンSDIがESS事業に積極的に乗り出してきた反面、SKイノベーションバッテリー事業内のESS比重は微々たるものだ。
SKイノベーションは2014年にESS事業担当部署を設置し、同年には韓国電力の電力研究院の「全羅北道(チョルラブクド)居昌(コチャン)のエネルギー貯蔵装置(ESS)実証団地構築事業」に納品業者に選ばれたが、対外的にこれといった事業実績はなかった。
ただ、国内を含め、世界的に再生エネルギーブームが起き、間欠性問題を克服した代案として、ESSの重要性が高まっている。SNEリサーチによると、グローバルESS市場規模は2020年の23億ドル(約2536億円)から2030は243億ドル(約2兆6796億円)へと10倍以上拡大する見通しだ。
SKイノベーションは先月初め、米IHIテラサンソリューションズと未来エネルギー貯蔵プロジェクトパートナーシップを結ぶなど、多様な協力機会を模索していることが知られている。
SKイノベーションはまた、4日には第2四半期の業績発表カンファレンスコールを通じて「ESS、フライングカー、ロボットなど新しいバッテリー適用市場を拡大する」と述べ、バッテリーの新しい適用先の拡大を公式予告した。
一方、地理的な拡大も進行中である。 11日、ロイターなどによると、フォードのハウタイタン最高経営責任者(COO)は「(SKイノベーションとの合弁関係は)欧州にも拡大するだろう」と述べ、SKイノベーションとフォードとのバッテリー合弁会社が米国を越えて欧州にも設けられると期待していた。
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