サムスン電子やLG電子など、韓国メーカーがリードしている世界プレミアムテレビ市場が、5年後には2倍ほど成長するだろうという見通しが出た。韓国メディアニュース1が伝えた。
関連業界によると、ディスプレイ専門市場調査会社DSCC(Display Supply Chain Consultants)は、最近発表した報告書で、2026年の世界プレミアムテレビ市場の規模を524億ドル(約61兆1200億ウォン、約5兆7553億円)と分析した。
まず、今年上期のグローバルプレミアムテレビ市場は、昨年、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の大流行による生産支障リスクが減り、前年同期比出荷量が72%増加したことが分かった。
このような上昇の勢いは下期まで続き、今年の年間プレミアムテレビの売上規模は267億ドル(約2兆9326億円)水準になると、DSCCは明らかにした。昨年より67%増加した水準だ。
製品別にはOLED(有機発光ダイオード)テレビの成長の勢いが目立った。今年のOLEDテレビの成長率は81%(出荷量670万台)で、LCD(液晶表示装置)テレビの成長率(33%、出荷量1280万台)を2倍以上も上回っている。
全体プレミアムテレビの中でOLEDテレビのシェアは昨年27%から今年は34%へ増加すると予想された。
より詳細には、77インチ以上のOLEDテレビ出荷量が前年比140%増加すると予測された。75インチ以上のLCDテレビの出荷量は、87%増えるものと見られる。
今年のOLEDテレビの売上は、昨年より78%増の110億ドル(約1兆2082億円)規模と見込まれており、売上シェアも41%と、昨年より2%上昇するものと見られている。
5年後の2026年出荷量基準のグローバルプレミアムテレビ市場規模は4310万台になると予想される。このうちQD(クォンタムドット)-OLEDを含むOLEDテレビの割合は38%水準の1650万台になる見通しだ。
収益の面でも、2026年のOLEDテレビの売上は年平均30%成長し、271億ドル(約2兆9765億円)水準になる見通しだ。2025年からはLCDテレビの収益を追い越すとDSCCは分析した。
マイクロLED(発光ダイオード)テレビはわずか0.2%規模の出荷シェアで全体売上の6%を占め、スーパープレミアムテレビに浮上すると予想された。
今年開催された「2020東京オリンピック」をきっかけに、本格的に市場で公開開始された「8K(7680×4320」解像度)テレビは、来年に出荷台数が100万台を超え、5年後は450万台レベルへと成長する見通しだ。
ただし、マイクロLEDテレビは高価格に対する負担が大きいことから8K市場への参入は難しいとDSCCは明らかにした。
一方、サムスン電子やLG電子など韓国メーカーは、今年上期のグローバルテレビ市場でシェアの半数以上を上回り、「テレビ強国」としての地位を固めたことが分かった。
世界市場調査会社オムディア(Omdia)は、サムスン電子が今年上期にグローバルテレビ市場で2103万台の販売台数を記録し、5年ぶりに2000万台の販売台数を突破したと発表した。
特に、Neo QLEDを打ち出したサムスンQLEDテレビは、上期だけでも約400万台が販売され、前年同期比46%の成長を記録した。売上高基準シェアは32.7%で、16年連続シェア世界1位の座が有力視されている。
LG電子の代表プレミアムテレビの「OLEDテレビ」も、今年上期に約173万5000台の出荷台数を記録した。平均販売単価(ASP)が2000ドル(約22万円)に近いプレミアム製品であることを勘案すれば、さらに大きな意味を持つというのが業界の分析だ。
特に、第2四半期には94万5600台の出荷量を記録し、四半期基準では歴代最大出荷量を達成した。LG電子の売上高基準グローバルテレビ市場シェアは18.4%となっている。
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