(画像出典:韓国ニュースメディア「NEWS1」)
韓国ニュースメディア「NEWS1」は、グローバル半導体市場での景気の「先行指標」とされる製造装備業界の好況が今年下期にも続いていることを報じた。今年1月から続いた「歴代級」の最高売上記録更新が下期にも続くという肯定的な見通しと解釈される。
特に、世界トップのメモリー会社であるサムスン電子が今後3年間、半導体150兆ウォン(約14兆円)を含め、最大240兆ウォン(約23兆円)規模の莫大な新規投資計画を発表している中で、台湾のTSMC、米国のインテルなど、グローバル企業間の主導権争いもますます激しくなるものと予想される。
国際半導体製造装置材料協会「SEMI」が26日に発表したところによれば、北米の半導体製造装置メーカー(North America-based semiconductor equipment manufacturers)が7月に世界で受注した金額は、合計で約38億5720万ドル(約4兆5033億ウォン、約4235億円)であったと集計された。
1年前の2020年7月と比べると、49.8%も増えた形だ。上記の数字は北米半導体装備メーカーの月間最大注文額を記録した今年6月の36億9020万ドル(約4062億円)よりも4.5%増加した過去最高額だ。
SEMIが言及した注文額(Billing)は、装備供給契約受注に関する表現であり、実際の半導体製造装置メーカーの売上と同じ意味として解釈される。SEMIは3カ月分の平均を根拠に、毎月北米半導体製造装置メーカーの注文額の推移を発表している。
注目すべき点は、半導体製造装置市場の業況と動向が、世界の半導体業界の流れを予測する「先行指標」として注目されている点だ。半導体製造装置市場の業況が通常半年後に実際のグローバル半導体市場にも影響を及ぼすということだ。

全世界半導体製造装置の売上推移(SEMI)News1より
SEMIによると、今年に入って北米半導体製造装置メーカーの注文額の増加傾向が目立っている。
今年に入ってからは、1月が前年同期より29.8%増加した30億3820万ドル(約3344億円)で過去最高を記録し、その後も2月(31億4310万ドル、約3460億円·32.4%)、3月(32億7390万ドル、約3603億円 ·47.9%)、4月(34億2890万ドル、約3774億円·50.3%)、5月(35億8850万ドル、約3950億円·53.1%)、6月(36億9020万ドル、約4062億円·59.2%)、7月(38億5720万ドル、約4245億円·49.8%)など7カ月連続で過去最大の売上新記録を塗り替えている。
アジット·マノチャ(Ajit Manocha)SEMI最高経営責任者は、「2021年下期の7月、北米半導体製造装置メーカーの売上増加傾向も大きい」とし「グローバル半導体供給網でキャパシティ需要は増え続け、半導体製造装置市場も成長を続けている」と明らかにした。
業界では当分、装備および全世界の半導体市場が上昇曲線を描くものと予想している。これに先立ち世界半導体貿易統計機関(WSTS)は最近公開した「2021年第2四半期の半導体市場展望」報告書を通じ、今年の世界半導体売上成長率を従来の19.7%から25.1%に引き上げた。また2022年の売上の伸び率も今年6月には8.8%と見込んでいたが、今回は10.1%に引き上げた。
SEMIが発表する北米半導体装備メーカーの出荷額指標面でも、2017~2018年のメモリー「スーパーサイクル(超好況)」時と比べ成長が著しいと専門家は診断している。
ポスコ経営研究院のイ·ジュワン研究委員は「半導体先行指標として活用される北米半導体装備出荷動向を見ると歴代最高記録を更新し、増加率も上昇傾向を維持している」とし「典型的な好況期の様子」であると分析した。
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