SKC、正極材・負極材事業に参入…次世代成長エンジンの確保へ

(画像出典:韓国ニュースメディア「NEWSPIM」)

SKグループの化学・素材系列会社であるSKCが次世代正極材、負極材事業に進出するという。SKCは来月に「フィナンシャルストーリー(Financial Story)」を発表する予定だが、この場で新規進出する次世代正極材・負極材の素材と投資規模、合弁会社の設立などについても発表するという。韓国ニュースメディア「NEWSPIM」が報じた。

26日、業界によると、SKCは来月、フィナンシャルストーリーを発表する。フィナンシャルストーリーは、SKグループのチェ·テウォン会長が示した経営戦略で、各社が顧客や投資家、市場などのステークホルダーに未来のビジョンや成長戦略を示し、信頼や共感を得て、企業の総価値を引き上げるという核心理念であるという。

SKC関係者は「現在、フィナンシャルストーリーの発表を準備中で、第3四半期(9月)には発表するだろう」と述べた。フィナンシャルストーリーの発表日付は確定していないが、秋夕(チュソク=旧暦8月15日の節句)連休以前には進められると見解が強い。

ただ、SKCの関係者は、フィナンシャルストーリーの発表に盛り込まれる具体的な内容についてはコメントを控えた。フィナンシャルストーリーを発表したグループ内の別の企業を見ると、SKバイオファームは先月のオンラインイベントを通じ、「10年以内にグローバルトップ10ヘルスケア企業に跳躍する」というビジョンを示した。また同月行われたSKイノベーションはソウル汝矣島(ヨイド)コンラッドホテルで「ストーリーデー」を開いたが、その場で「バッテリー事業を別途法人に分割する」と発表し、業界内外の関心が集まった。

SKCも、フィナンシャルストーリーに未来ビジョンや成長戦略に関連した内容を盛り込むものと見られ、その中身としては次世代正極材、負極材素材事業への参入という内容が有力視されている。SKCは4日に開かれた第2四半期業績発表カンファレンスで、「現在、次世代正極材と負極材素材に対する投資を検討している」とし、第3四半期内に資金調達策をまとめる計画だと明らかにした。

業界ではSKCが進出する次世代2次電池素材として、ハイマンガン正極材、シリコン黒鉛負極材、リチウムメタルなどの活用が可能性として高いものと見ている。EV(電気自動車)市場の成長と共に性能は高め、価格を下げるための次世代バッテリーの開発が活発に行われている。このうちハイマンガン正極材は、ニッケルより価格が約70%安いマンガンの比重を高めた素材で、ドイツのフォルクスワーゲングループで開発すると発表したことがある。

事業進出方式は合弁会社(JV)の形になるであろうと予想されている。

バッテリー業界の関係者は「バッテリー市場が急成長しているため、SKCは2025年の量産を目標にしている」とし、「SKマテリアルズと同様に米国または日本などに関連技術を保有する会社と合弁会社を設立するであろう」と述べた。

半導体・ディスプレイ素材専門企業のSKマテリアルズが先月、「シリコン負極材」事業への参入を宣言していた。シリコン負極材は既存の黒鉛負極材に比べて走行距離を向上し、充電時間は短縮した次世代バッテリー素材だ。SKマテリアルズはこのため、シリコン陰極関連技術および特許を保有する米国のバッテリー陰極素材企業「グループ14テクノロジー」と合弁の形で「SKマテリアルズグループ14」を設立した。SKマテリアルズは604億ウォン(約56億7957万円)を投入して株式の75%を保有することにした。

SKCは年明けまで、電気自動車バッテリーの核心素材である銅箔事業の拡大に集中していた。昨年1月、銅箔製造会社のSKネクシリス(元KCFT)の買収を終え、短期間で集中的に生産施設を拡張した。買収から2カ月後の3月と3カ月後の6月に全羅北道井邑(チョンラブクト・チョンウプ)に年間生産能力9000トン規模の第5工場と第6工場の増設を決定した。今年1月と5月にマレーシアのコタキナバルと欧州にそれぞれ5万トン規模の生産拠点を構築することを決め、海外進出に乗り出した。2024年の完工時、全世界の生産能力は15万2000トンと期待される。

 
参考記事:SKCソルミックス、平坦化工程の革新部品CMPパッドの生産稼働開始
参考記事:「SKCは二次電池・半導体・親環境事業をすべて保有 最大の投資リターン可能 」韓国証券社
参考記事:サムスン・LG、上期のグローバルTV市場をリード、シェア率50%到達

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