現在、EVにおけるリチウムバッテリー分野は需要が多い需給不均衡がはっきりしている。市場規模は数千億ドル(数十兆円)にのぼり、1兆ドル(約109兆8445億円)規模のリチウムバッテリーの先頭走者が誕生する見通しだ。しかし、一部の投資家は3年後、リチウムバッテリーが過剰状態になると推定しているとの記事を、中国メディアのストックスターが28日(現地時間)報じた。
最近の研究報告書によると、一部の投資家は今後3年以内に現在の「バッテリー不足」が「供給超過」に変わるものとみている。
現在、中国の新エネルギー自動車の生産および販売量は全世界の約30%を占めている。今年上期の中国の新エネルギー自動車の生産と販売は121万5000台と120万6000台で、前年同期比で2倍増加した。2019年の全体水準と同じだ。海外市場も同様だ。チュンタイ証券の最近リサーチ報告書は、2021~2023年までに世界の新エネルギー車販売台数がそれぞれ593万台、876万台、1136万台に達すると予想した。昨年、世界の車両販売台数307万台に比べ、2023年には市場が3倍以上増える見通しだ。
このような期待の中で、バッテリーは跳躍のチャンスに繋がるものと見られる。バンク·オブ·アメリカによると、2025~2026年までは「バッテリー不足」の状況と予想される。
しかし3年後には「バッテリー不足」から「バッテリーパニック」になるという見方もある。業界関係者は「3年が過ぎればバッテリー不足はない」とし「容量超過現象が生じるだろう」と予想した。「現在としてはグローバルバッテリー用総生産容量が1712GWhで、需要予測量の1151GWhを大きく上回る」ということだ。
リタンインベストメントのチェン·ハホヤン会長は「こうした予測データがすべてではなく、自動車メーカー傘下のバッテリーメーカーの生産量は計算されていない」と紹介した。例えば、チャンチョン自動車のハニカムエネルギーは2025年までに200GWhの生産計画を持っている。フォルクスワーゲンは、欧州に大規模なバッテリー工場を建設する計画だ。フォルクスワーゲンは、2025年には電気自動車用バッテリーを独自生産する。3年以内にバッテリーの供給超過は避けられないというのがチェン·ハホヤン会長の意見だ。
リチウムバッテリーの先頭走者であるCATLの利益率は減少傾向にある。資料によると2018~2020年の主力製品の売上総利益率はそれぞれ34.10%、28.45%、26.56%だ。2021年上期には総利益率が23%にまで下落した。
リチウム供給網のトップ企業であるガンポン・リチウムも、実際に規模だけ拡大して利益は得られないCATLと似ている。2018年から2020年まで売上総利益は39.97%、27.17%、23.40%と減少傾向が続いた。
CATLが数百億元(数千億円)を造成して投資するというが、より多くの利益を創出できるかは疑問だ。既存のバッテリーメーカーも生産能力を拡大しており、市場競争は日増しに激しくなっている。バッテリーメーカーはまもなくリスクに直面することになる。バッテリーメーカーの総利益率が完成車メーカーのそれに比べて高いということも持続可能ではないという指摘だ。そうなるとバッテリー価格は下落するしかない。
2022年にはバッテリー生産がさらに拡大する。バッテリー専門メーカーはもちろん、自動車メーカーが建設する工場が一斉に稼動に入るからだ。当分、会社の経営環境は良いが、生産能力が拡大し、3年後には「需要は多くても供給過剰によって市場は好況だが、業界は困難に直面する状況」になるという指摘だ。
今年上期のCATLの世界出荷量シェアは29.9%で1位、LGエナジーソリューション(旧LG化学)のシェアは24.5%で2位、パナソニックのシェアは15.0%で3位、ビーワーディー(BYD)とサムスンはそれぞれ4位と5位を占めた。韓国グローバルエコノミクス社が報じた。
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