LGディスプレイが世界で初めて披露した透明有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ技術が、韓国国内の公共交通機関に採用される道が開かれた。地下鉄など鉄道分野でこの製品を通じた窓型広告が可能になり、IT·家電製品に限られていたOLED技術の大衆化に弾みがつく見通しだ。韓国アジア経済ニュースが報じた。
31日、業界によると、LGディスプレイの透明OLEDは前日、国務調整室が規制改革に関する新聞告示を通じて発表した規制革新事例に含まれ、今後、同製品を活用した国内地下鉄の窓広告が認められる予定だという。
これまで屋外広告物法では、交通手段の外部面に発光する窓広告を原則的に禁止していた。他の交通手段の運行に不便を与えかねないという理由からだ。このため、LGディスプレイが開発した透明OLEDを活用した窓広告が韓国内で可能かどうかが不明だった。
国務調整室は昨年12月、行政安全部(行安部)が結論を出した屋外広告物法の解釈をもとに、透明OLEDディスプレイを活用した地下鉄広告は、交通手段の外部面に発光する窓広告の禁止と関連した規制対象ではないことを明らかにした。
LGディスプレイは、鉄道用透明OLEDを世界で初めて商用化し、昨年から北京や深センなど、中国の主要都市の地下鉄に供給してきた。ロシアと日本も同製品の導入を本格的に推進しているが、国内では曖昧な規定のため、これを鉄道分野に活用できずにいる。今回の規制革新事例をきっかけに、くびきから脱し、活用の幅を広げるだろうと、会社側は期待している。

中国・深センの地下鉄に設置されたLG Displayの55インチ透明OLEDパネル(出所:中国国営鉄道グループ)
LGディスプレイが披露した鉄道用透明OLEDは、通常は透明なガラスのように活用しながら、電気信号を通じて選択的に映像情報を表記することができ、交通手段の窓に取り付ければ、案内板や広告板のように情報伝達が可能だ。
LGディスプレイによると、鉄道用透明OLEDディスプレイは55インチの大きさで、地下鉄や列車の客室の左右側のガラス窓に適用できる。同製品の透明度は40%で、10%水準の透明液晶表示装置(LCD)ディスプレイより4倍ほど高く、開放性と視認性が向上した。また、高速で線路を走る列車に適合するよう特殊強化ガラスを採用し、従来のパネルに比べ衝撃や振動にも強い。
透明OLEDは、バックライト無しで画素自ら光を放ち、透過率を最大化できるというメリットのため、自律走行自動車や航空機、地下鉄などのモビリティ関連企業はもとより、スマートホームやスマートビルなど、さまざまな分野で大きな関心を集めている。グローバルコンサルティング会社「プレシアント&ストラテジック·インテリジェンス」によると、透明ディスプレイの市場規模は年平均46%成長し、2024年には49億3300万ドル(約5兆7469億ウォン、約5443億円)に達する見通しだという。
LGディスプレイの関係者は「透明OLED生産のためのインフラをすべて整え、増える市場需要にもすぐに対応できる」と強調した。
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