「世界1位」を狙うサムスン半導体…下期の人材採用スタート

サムスン電子がメモリー、ファウンドリ、システムLSIなど主要半導体事業部を含め、DS(デバイスソリューション)部門全社にわたるキャリア人材の公開採用に乗り出す。韓国news1が報じた。

サムスン電子は8月、メモリーのほか、システム半導体でも名実とも「世界1位」を達成するため、3年間で240兆ウォン(約22兆7749億円)の莫大な投資を行うという計画を発表している。

特に、サムスンはこのような計画の一環として、3年間で4万人を直接採用すると発表した中、今年下期のサムスン電子DS部門におけるキャリア人材の公開採用を皮切りに、サムスングループの主要関係企業の新入社員の採用日程も今月中に発表される見通しだ。

6日、業界によると、サムスン電子は公式採用ホームページ「サムスン·キャリアズ(Samsung careers)」を通じて、「2021年下期DS部門の正社員キャリア人材採用」の公告を出し、書類受付を始めた。

今月3日から始まった書類受付は今月27日まで行われ、学士号保有者の中では経歴4年以上、修士は2年以上の経歴を持っていれば志願が可能だ。勤務地域はサムスン電子の半導体生産ラインがある華城(ファソン)·器興(キフン)·平沢(ピョンテク)を含め、水原(スウォン)、天安(チョンアン)·温陽(オンヤン)などだ。

今回、サムスン電子がキャリア人材を募集する分野は、DS部門傘下のメモリー事業部、システムLSI事業部、ファウンドリ事業部の3ヵ所を含め、△半導体研究所、△TSP総括、△グローバルインフラ総括、△DITセンター、△生産技術研究所、△総合技術院、△部門直属の10ヵ所にのぼる。

サムスン電子は今後、面接や健康検診などを経て、今年12月か来年1月ごろに最終合格者を選ぶ予定だという。サムスン電子は今年2月にもDS部門の10事業部にわたるキャリア人材の採用を進めている。

今年だけでもすでに2度目のキャリア人材の公開採用が行われるDS部門は、IM(IT&モバイル)、CE(消費者家電)まで含めたサムスン電子の3大事業部門のうち、最大の規模を備えている。今年6月末現在、サムスン電子の従業員は11万人いるが、DS部門所属だけでも半分以上の6万1600人にのぼる。
特に財界では、サムスン電子が半導体事業領域で大々的なキャリア人材の公開採用に乗り出した時期が、今年8月にオーナーのイ·ジェヨン副会長が釈放された直後だという点に注目している。

サムスンはイ副会長が8月13日に仮釈放で出所して11日後に半導体、バイオ、次世代通信など主要主力事業に3年間240兆ウォン(約22兆7749億円)を投資するという「3カ年経済活性化」計画を発表した。

サムスンは240兆ウォン(約22兆7749億円)のうち180兆ウォン(約17兆864億円)を韓国国内に投資する方針だとしているが、その中で半導体事業での投資規模だけでも約150兆ウォン(約14兆2387億円)に達する見通しだ。

今回の投資を通じてサムスン電子は、世界トップになったメモリーのほか、システム半導体でも、先端工程の適時開発や果敢な投資を前面に出し、名実ともにグローバルトップに躍り出るという覚悟だ。

サムスン電子が全体投資計画の半分以上を半導体に投資する目的には、「絶対優位」な形で市場のリーダーシップを逃さないという強い意志が込められていると見られる。

業界関係者は「米国、中国、欧州など世界各地で半導体をめぐる覇権争いが深まる状況で、韓国半導体産業を代表するサムスン電子が生き残るためには、結局のところ優秀な人材確保が必須」とし、「国内外でも半導体企業間の人材確保競争が激しくなる」と述べた。

これに先立ち、先月の投資計画の発表当時、サムスンは今後3年間、4万人を直接採用するという大々的な人材確保対策も公開した。国家的な核心課題である青年雇用問題を解決しながらも、半導体、バイオなど主力事業の競争力を引き上げるための布石だ。

このため、サムスン電子が半導体全体事業部にかけて今年下期に採用するキャリア人材の規模も以前より大きくなる可能性が高いと予想される。

サムスン電子は、キャリア人材の採用が終わり次第、今月下旬から直ちに2021年下期の新入社員の公開採用にも突入する見通しだ。サムスン電子のほかに、△サムスンディスプレイ、△ サムスンSDI、△サムスン電機など主要関係企業10社も同時に新入社員の公開採用に乗り出す方針だ。

サムスン電子をはじめとする主要系列会社は「公開採用」制度も継続して運営する。サムスン関係者は「韓国で初めて公開採用を開始した企業として、国内採用市場の安定性と予測可能性のため、公開採用を今後も引き続き維持していく」と明らかにした。

参考記事:半導体の今後が不安視される中…サムスン&SKハイニックス、大規模採用に乗り出す
参考記事:Kバッテリー3社、ブラックホールのごとく採用拡大、1年間で2600人も
参考記事:サムスンとSKの人材採用方針

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