サムスンSDIが初の米バッテリーセル工場の敷地として、イリノイ州とミシガン州を検討していることが分かった。両地域は、サムスンSDIのEV(電気自動車)バッテリーのパートナー企業が位置している。業界ではサムスンSDIが年内に米工場敷地を確定し、着工に入るものと見ている。chosunbiz社が報じた。
7日、バッテリー業界や外国メディアの報道などを総合すると、サムスンSDIはグローバル完成車メーカーのステランティスに3兆ウォン(約2845億円)、米電気自動車ベンチャー企業のリビアン(Rivian)に1兆ウォン(約948億円)をそれぞれ投資する案を考慮中だという。このため、米国内のバッテリーセル工場の設立を検討しているが、現在、イリノイ、ミシガン、ジョージアの3ヵ所が候補地として挙がっている。
業界ではイリノイ州とミシガン州を有力候補地に挙げている。イリノイは、サムスンSDIとバッテリー協力を進めているリビアンが位置する地域だ。リビアンは現在、電気ピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の発売を控えている。この電気自動車には、サムスンSDIの円筒形バッテリーが搭載されているという。リビアンは「第2のテスラ」と呼ばれるほど、電気自動車市場で成長の可能性が認められている。現在ニューヨーク証券市場への上場準備を進めているが、企業価値は約800億ドル(約94兆ウォン、約8兆9154億円)と推算される。 最近、サムスンSDIの関係者らがイリノイ州を訪れ、ディック·ダービン(Dick Durbin)米連邦上院議員など地元政府·議会関係者に会った。イリノイはサムスンSDIに多様なインセンティブを与える計画だ。
ミシガン·デトロイトには、サムスンSDIと電気車バッテリーの協業を推進している完成車メーカーのステランティス工場がある。ステランティス社はプジョー、シトロエン、フィアット、ジープなど14のブランドを率いている世界4位の完成車メーカーだ。ジープの初の電気自動車「2021ラングラー4xe」にサムスンSDIのバッテリーが搭載されたという。サムスンSDIはデトロイトに近いミシガン·オバーンヒルズに電気自動車用バッテリーパック組立工場を保有している。ミシガンにセル工場を建設する場合、同地域を中心に完成型バッテリー工場のラインを構築することができる。
ステランティス社は米国でバッテリーメーカーとジョイントベンチャーの設立を推進している。パートナー企業としてはサムスンSDIが最も有力だというのが業界の分析だ。
バッテリー業界では、サムスン電子のイ·ジェヨン副会長が復帰した状況で、米国現地の工場建設への期待も高まっており、年内に敷地選定を完了するだろうという見方が出ている。特に電気自動車の中核部品を75%以上現地で生産してこそ、北米市場で無関税恩恵を受ける新北米協定(USMCA:米国·メキシコ·カナダ間協定)が2025年7月に発効する予定なので、この時点に合わせて米国のバッテリー工場を稼動する必要がある。
財界関係者は「サムスンSDIが最近、グローバル市場で後発走者のSKイノベーションに押される結果が出ただけに、パートナー企業や工場敷地選定に慎重を期しているようだ」とし「工場敷地は地元州政府のインセンティブも十分確保しなければならず、長く検討しているとみられる」と述べた。
(本記事はchosunbiz社の記事を翻訳・編集して投稿しております)
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