イメージセンサー市場は2025年には40兆ウォン(約3兆7585億円)に達すると予想され、業界2位のサムスン電子が首位奪還を狙って追撃の手を強めている。サムスン電子は業界最高水準の技術力で市場シェアを伸ばしているが、企業間取引(B2B)市場の特性と製品最適化性能を前面に出したソニーが依然として健在だ。スマートフォンから車載向けにイメージセンサー市場の中心が移動している中、サムスン電子は中華圏市場への攻略や生産優位を通じて、業界トップを狙っている。韓国ファイナンシャルニュースが報じた。
12日、市場調査機関のオムディアによると、昨年、サムスン電子のイメージセンサーの市場シェアは19.6%と、前年比2.0%ポイント伸びた。同期間、ソニーは主要顧客であるファーウェイのスマートフォン市場からの離脱で、シェアが52.7%から47.7%へと4.8%ポイント減り、両社間のシェア格差は35.1%から28.3%へと縮まった。
特に、サムスン電子の2019年比較での2020年の売上伸び率は22.3%と、全体イメージセンサー市場の伸び率(10.2%)の2倍を超えている。これは超微細ピクセルの技術「超格差」のおかげだ。サムスン電子は商用化基準で0.7㎛ピクセル、1億800万画素なのに対し、ソニーは0.8㎛ピクセル、6400万画素でサムスン電子がリードしている。
サムスン電子は小さなピクセルを一つにまとめ、まるで一つの大きなピクセルのように高い画質を具現化する「ピクセルビニング」技術を活用し、6億画素イメージセンサーを開発中であることがわかった。これに対し、ソニーは一部遅れているハードウェア性能を優れたイメージ処理とパッケージング技術で補っている。
これまでイメージセンサー市場は約70%の割合を占めるスマートフォンのカメラ搭載数増加を基盤に成長してきたが、これからは車載用メインとなっていく見通しだ。
米自動車工学会(SAE)によると、レベル4の自律走行車には、カメラだけでも平均8台が搭載され、車載向け製品価格はスマートフォン比約3倍も高い。2025年までの年間車載向け市場成長率は34%と、モバイル(6%)を一段と上回っている。車載向け市場は、2025年は6兆ウォン(約5638億円)規模の市場を形成するものと見られる。
車載用は人の生命と直結するため、高画素よりはイメージ処理による走行状況の認知などの安全がより重要だ。悪天候、逆光現象、トンネル、夜間走行でも物か人かを判断できなければならず、耐久性も最低5年以上を求められる。ソニーがイメージ処理技術に集中するのもこのためだ。
サムスン電子は2018年から、車載向けイメージセンサー市場への進出を準備し、7月、ISOCELL(アイソセル)・Auto 4ACを発売するなど、両社間の技術競争は本格化した。老朽化した半導体ラインをイメージセンサーに転換して生産優位に立てるというのがサムスン電子の強みだ。すでにイメージセンサーラインに転換した華城(ファソン)DRAM11ラインに続き、DRAM13ラインも転換を検討している。
同時に成長を続けている中華圏市場を集中攻略している。第2四半期の業績を発表した当時は、中国の顧客中心に1億画素のイメージセンサー需要が堅調だったことを明らかにしていた。サムスン電子側は「業界最小ピクセル、最高画素技術だけでなく、メーカーの製品選択権も広げ、シェアを拡大している」とし「爆発的に成長する自動車市場への参入で、業界1位達成のための基盤を確保している」と述べた。
参考記事:サムスン電子、2025年までに5億7600万画素イメージセンサーを開発
参考記事:サムスン、イメージセンサ1位ソニーに対し「2億画素」の壁を越え追撃
参考記事:サムスン電子が世界初の「2億画素イメージセンサ」開発、ソニーを猛追