中国のテレビ市場にOLED(有機発光ダイオード)の風が吹いている。トップメーカーのシャオミの参戦を受け、OLEDテレビ市場が早いテンポで拡大している。大型OLEDパネルを単独供給しているLGディスプレイは最近、韓国国籍の中国留学生を対象に、大規模な採用広告を出すなど、市場攻略に拍車をかけているという。マネートゥデイ社が報じた。
関連業界と外信が12日に発表したところによると、シャオミが先月発表した新製品「Mi TV 6 OLED」の販売台数は15日ぶりに1万台を突破した。最も早い時間内に達成した新記録で、同期間、中国で販売された全体OLEDテレビの50%を占める規模だと、シャオミは明らかにした。
これに先立ち中国のノ·ウィビン地域総裁は今回の新製品を発売し、「テレビ市場に新たな変化をもたらす」と強調した。同氏はOLEDテレビを継続的に普及するとし、「中国OLEDテレビ市場1位」を目標に掲げた。
自信の秘訣は、究極のコストパフォーマンスだ。シャオミOLEDテレビの価格は、予約販売当時55インチモデルが4999元(約90万ウォン、約8万5千円)、65インチモデルが6999元(約126万ウォン、約11万9千円)に策定された。同じ大きさのLG電子の製品より30%以上安い水準だ。低価格でゲーミング特化機能などを備え、中国の若い消費者層から特に人気を得ているという。
ある市場関係者は「性能では競争企業に比べて比較劣位にあるが安いOLEDテレビという強みが青年層中心の消費者から大きな関心を受けている」とし「コストパフォーマンスを前面に出した中国製品が今後欧州や米国など他の海外市場にどんな影響を及ぼすかも業界の関心事」と伝えた。
電子業界ではシャオミが本格的に合流し、中国プレミアム市場内のOLEDテレビの割合が早いスピードで拡大すると見ている。中国は単一国家としては最大規模のテレビ市場(全体の20%水準)を保有している国だが、OLEDテレビだけを見れば、影響力は微々たるものだという評価を受けてきた。中国OLEDテレビ市場は全体の約4~5%程度の水準だ。
しかし、中国市場で影響力を持っているシャオミが、OLEDテレビ製品群を強化したことを受け、市場の勢力図が変化するだろうというのが業界の見方だ。グローバル市場調査機関のオムディアは、中国内のOLEDテレビの販売量は、2021年の26万台から2025年は80万台へと約3倍程度増加するだろうと見込んでいる。
ほかの中国メーカー各社のOLEDテレビの影響力も、市場の注目を集めている。中国OLEDテレビ市場は、2019年まで日本のソニーがシェア40%でトップを維持してきた。昨年からは中国3位のテレビセットメーカーのスカイワースが販売量を増やし、40%以上のシェアで1位を記録している。中国ハイセンスは今年第2四半期基準で6.9%のシェアで3位につけた。
LGディスプレイが昨年から推進している「OLED大衆化」戦略にも弾みがつく見通しだ。中国のパネルメーカーが大型OLED投資に莫大な資金を投入しているが、まだ量産段階に至っていないため、現在テレビ向けOLEDパネルの供給を受けられるところはLGディスプレイだけだ。
LGディスプレイは京畿道坡州(キョンギド·パジュ)と中国広州にOLEDテレビパネル生産体制を整えた。昨年450万台から今年800万台まで生産量を増やすことを目標にしている。一部ではLGディスプレイが広州工場で月3万枚規模の生産ラインを追加増設するという観測が出ている。この場合、今年の出荷量を1000万台まで押し上げることができる。
最近は、中国留学生を対象に大規模な採用を実施し、市場攻略基盤の拡大に乗り出している。「中国の大学で学士以上の学位を取得した人」が志願資格だ。R&D(研究開発、パネル設計、回路設計、機構設計、光学設計、開発企画など)から工程·装備、営業マーケティング(商品企画、海外営業、技術営業)など多様な分野で人材を選んでいるという。
LGディスプレイ関係者は「顧客企業への支援と事業を強化するため」とし「中国内の生産基地もあって意思疎通が可能で、中国文化をよく理解しているエンジニアとマーケッターなどが必要だ」と述べた。
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