SKハイニックスがイメージセンサー(CIS)市場への攻略に拍車をかけている。後発走者として市場シェアはまだ低いが、最近、サムスン電子のフォルダブル戦略スマートフォン「Galaxy Z Flip3」にCISを供給するなど、競争力が認められている。chosunBizが報じた。
19日、半導体業界によると、SKハイニックスがGalaxy Z Flip3に供給しているCISはHi-1337という製品名で、12インチ(300ミリ)ウエハー(半導体の原板)工程で量産される。モバイル向けCISであり、1.0㎛(マイクロメートル)ピクセルに1300万画素、2倍ズームを支援する。SKハイニックスによると、該当製品は同時発売した800万画素「Hi-847」に比べ、画素数が多く、望遠、広角、前面カメラなど、多様な用途で活用が可能だ。
現在SKハイニックスは1㎛ピクセルイメージセンサーに「ブラックパール」という技術を適用している。ここに最近、Hi-1337、Hi-847、Hi-1634、Hi-2021の4製品に高性能·最高級という意味の「ブラックラベル」というブランドを付与した。
これまでDRAM、NANDフラッシュなどメモリー半導体に力を注いできたSKハイニックスは、システム半導体分野では後発走者に挙げられる。ただ、サムスン電子がメモリー半導体で培った技術ノウハウをシステム半導体に融合させるように、SKハイニックスも大きくなっていくシステム半導体分野で十分な競争力を確保できると見ている。
SKハイニックスがシステム半導体で一番先に注目した製品はCISだ。CISとは、カメラのレンズを通して入ってきた光をデジタル信号に変換する半導体のことで、人が目で見たものを脳に画像で刻むのと同じ原理である。スマートフォンなどのモバイル機器はもとより、医療やセキュリティ分野で活発に使われている。自律走行機能の登場で、自動車先端運転者補助システム(ADAS)でも使用される。最近は製造業の生産ラインで不良品の洗い出しにもCISを活用する。
市場調査会社ストラテジーアナリスティック(SA)によると、スマートフォン1台当たりの平均カメラ数は、2017年の2.2台から昨年は3.9台へと2倍近く増えた。また別の市場調査会社テクノシステムズリサーチによると、2017年にスマートフォンでマルチカメラを採用する比率は17.5%から昨年は84.8%に拡大した。マルチカメラ形式もデュアル(2個)からトリプル(3個)、クワッド(4個)、ペンタ(5個)へと領域が拡大している。その分、モバイル向けCIS需要が増えていることを意味する。
SKハイニックスは、CIS市場シェアが2%に過ぎない。同市場1位はソニーで40%を占めている。サムスン電子は22%で2位だ。SKハイニックスはオムニビジョン(12%)、STマイクロ(6%)、ギャラクシーコア(4%)、オンセミコンダクター(4%)とも格差がある。
SKハイニックスの主要供給先は、中国メーカーのファーウェイ、OPPO、VIVO、シャオミなどと、サムスン電子の中低価帯スマートフォンのGalaxy A、Mなどだ。主に全面カメラ用に使われる低画素CISを納品してきた。そんな中、昨年から1000万画素以上のCISをサムスン電子に供給し始めた。サムスン電子が自社システムLSI事業部で開発したCISではなく外部の会社のものを採用するということは、それだけ技術力や価格競争力が認められたことを意味する。
特に、Galaxy Z Flip3の場合、最近、サムスン電子で最も雰囲気のよいスマートフォンといわれている。それだけSKハイニックスがさらにフラッグシップ(最高級型)市場に進出できる道が開かれたものと解釈される。
CIS市場攻略のため、SKハイニックスは飛行時間(ToF)CIS開発にも本腰を入れている。ToF CISとは、被写体に光を当てて反射され、戻ってくる時間を測定し、距離を認識し、立体(3D)の形を具現する技術だ。AR(拡張現実)·バーチャルリアリティ(VR)などのメタバース関連技術に活用度が高く、顔認識などの生体認証にも使われている。アップルのiPhone全面カメラなどに使われている。
また、SKハイニックスは0.8㎛ピクセルサイズの4800万画素CISも下半期に発表する予定だ。業界関係者は「CISの適用範囲が広がるだけにシステム半導体分野投資を増やしていくSKハイニックスにもCIS事業関連の成長性は十分だと思う」とし「後発走者なので市場シェアが高くないという点は弱点だが、最近サムスン電子フラッグシップラインナップに含まれるなど見通しも明るい」と述べた。
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