世界ディスプレイ市場で韓国のシェアが下がり、2025年には一桁台に達するという見通しが出て、懸念の声が高まっている。LCD(液晶表示装置)を中心に世界トップの座を占める中国のシェアは70%以上になると分析されている。ただ、韓国メーカー各社は単に生産能力の拡大よりは、OLED(有機発光ダイオード)や大型ディスプレイなど、次世代製品の生産に力を入れ、技術力の格差を守る計画だという。韓国国民日報が報じた。
20日、業界によると、ディスプレイ専門市場調査会社DSCCは最近の報告書を通じて、中国のディスプレイ生産能力シェアが2025年に71%まで増加するという見通しを発表した。2017年までは30%前半や半ばに止まっていたシェアは、昨年は53%と半分を超え、その後2025年までは年平均11.9%ずつ増加するだろうという見方が出ている。
LCD市場では中国のシェアが2025年には75%に達すると予想した。中国は相対的に技術水準の低いLCDを安価な賃金を武器に低価格で大量生産し、シェアを大幅に伸ばした。2019年にはLGディスプレイを破り、中国BOEが業界1位の座についた。サムスンディスプレイ、LGディスプレイなど韓国企業は、中国、台湾など中華圏企業と「チキンゲーム」を展開し、韓国製LCD事業から撤退する計画を明らかにした。
一方、韓国企業のシェアは減少を続け、今年第2四半期に19%だったシェアが2025年には8%まで低下すると報告書は分析した。2019年、中国BOEに押された後、2位を守っているLGディスプレイのシェア順位も、中国CSOTに押され、3位に止まるだろうと見込んだ。
DSCCは「BOEが2025年まで年平均13%ずつ生産能力成長率を記録し、LGディスプレイとの格差をさらに広げる」とし「CSOTはサムスンディスプレイの蘇州LCDファブ(工場)買収とOLEDファブ新規稼働などを通じ、2025年まで年平均生産能力を17%ずつ増やすとみられる」と説明した。
主要国のディスプレイ生産能力の拡大を受け、供給過剰が予想されることも懸念すべきポイントだ。DSCCは韓国、中国、台湾、シンガポールなど主要国の来年のディスプレイ生産能力が面積単位で3億平方メートルを超えると予想した。供給過剰が現実化すれば、価格下方圧力が発生し、ディスプレイ売上が減少する可能性が高い。既にLCDパネルの価格は7月ピークに達し、下落している。
ただ、韓国ディスプレイメーカー各社は、技術水準や平均価格が高く、次世代市場として評価を受けているOLED分野や大型ディスプレイでは依然、中国とは大きな格差を見せている。韓国企業各社は、OLEDへの転換に拍車をかけている。実際、世界OLED市場では、韓国のシェアが過半数を占めている。ある業界関係者は「韓国内企業はLCD生産をしない傾向なので単純生産能力は減ることもあるが、単価が高い次世代市場の割合が高いため、売上シェアで計算すると話が変わる」とし「次世代技術を開発して技術格差を守ることに集中している」と述べた。
別の業界関係者も「現在はLCD市場の方が大きいが、結局OLEDへと進む傾向にあり、『OLED大勢化』が実現すれば結局、技術優位を持つ韓国企業が有利になるだろう」とし、「中国が大規模な投資を通じて格差を追いつくために努めているが、そう簡単に狭められるほどの格差ではない。韓国企業も引き続き投資と発展に力を尽くしていく」と明らかにした。
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