ヨーロッパ自動車市場で電気自動車(EV)のシェアがディーゼル車を追い抜いた。電気自動車がディーゼル車より売れたのは、自動車の普及以来初めてである。しかも、ディーゼルエンジンで世界市場を支配していたヨーロッパでの出来事である。韓国AUTOHERALD誌が報じた。
自動車市場分析会社のJATO Dynamicsによると、ヨーロッパの8月新車登録台数は昨年度同月に対して18%減少した71万3714台であった。月間販売台数としては、2014年以来で最も少ない。今年度1月から8月までのヨーロッパ新車累積販売量は809万5419台で、昨年度同期間の719万2839台より13%増加している。しかし、新型コロナウイルス拡散前の販売台数までは回復していない。
このような市場情勢の中、電動化モデルのEV販売台数が急増し、ディーゼル車の販売台数を追い抜いた。JATO Dynamicsによると、電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の8月市場シェアは21%であった。販売台数は15万1737台で、前年度同月に対して61%増加している。
先月でヨーロッパの電気自動車累積販売量は132万台に達した。このような電気自動車の躍進について、JATO Dynamicsは「各国政府のインセンティブが大きな役割を果たしたが、なによりも、多様な電気自動車モデルが市場に発売され、消費者の認識が変化したことが要因である」と説明した。
一方、ディーゼル車のシェアは2019年の30%から2020年の29%、今年度の20%まで、減少傾向にある(8月販売台数)。ガソリン車に関しても、2019年の65%から2020年の58%、今年度は56%と、シェアは減少傾向を見せている。昨年度8月、ディーゼル車の販売台数は電気自動車より15万台以上多かったが、今年度は1万100台少なかった。
電気自動車とディーゼル車の格差はより広がるとされている。現代(ヒュンダイ)自動車と起亜(キア)自動車のIONIQ 5とEV6、フォルクスワーゲンのID.3、フィアット500、プジョー208、オペルのコルサなど、電気自動車の需要が爆発的に増加し、プレミアムブランドによるオリジナル電気自動車の発売で、ディーゼル車の立場が弱くなりつつあるからだ。ヨーロッパ現地では、年末総販売数集計でディーゼル車のシェアが10%、電気自動車のシェアが 30%を記録するという推測も出ている。
8月のヨーロッパ新車市場で最も販売台数が多かった内燃機関車はDacia Sandero(1万4961台)であり、最も販売台数が多かったプラグインハイブリッド車はフォード・クーガ(3512台)で、最も販売台数が多かった純粋電気自動車はフォルクスワーゲンのID.3(7904台)であった。韓国自動車では、現代自動車のTUCSON(9739台)とTUCSON PHEV(1889台)、起亜自動車のNIRO EV(3561台)が燃料別トップ10にあがった。
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