車載向け半導体の品薄状態が1年近く続く中、ファウンドリ(半導体受託生産)事業を営むDBハイテックが車載向け半導体関連プロセス技術の研究開発(R&D)に着手し、事業への参入を予告した。DBハイテックは、事業初期の円滑な生産拡大と半導体業界の協力のため、政府の支援も要請したことが確認された。韓国毎日経済が報じた。
29日業界関係者によると、DBハイテックは、次世代パワー半導体として注目されるシリコンカーバイド(SiC)と窒化ガリウム(GaN)半導体製造のためのプロセス技術を開発中とのことだ。車載向け半導体事業へのDBハイテックの意志は、28日に開催された半導体連携・協力体の非公開懇談会でも確認された。
この日チェ・チャンシクDBハイテック副会長は「車載向け半導体とスマートセンサーの市場参入・拡大のため、業界間の連携・協力へのサポートが必要である」とし「開発段階から主要企業が参加し、安定した量産基盤まで構築することができるように需要・供給における国策事業を拡大の上、サプライチェーンの構築を支援してほしい」と要請した。
DBハイテックが車載向け半導体事業への進出を模索しながら政府に支援を要請したのは、まだ国内に車載向け半導体生産のためのサプライチェーンが形成されていないからである。事業初期に迅速な技術開発と需要・供給先間の協力関係の構築、生産設備の増設へ政府介入が必須という要求であると解釈される。車載向け半導体は、前方産業の特性上、情報技術(IT)の製品に比べ高いレベルでの製品安定性と信頼性が要求され、需要者と供給者との間のすり合わせ型の設計・注文、そして長期的な協力が伴わなければならない。
戦略物資として浮上した車載向け半導体における安定供給の重要性が高まっている中で、DBハイテックは車載向け半導体事業への進出が最も有力な国内メーカーとして選ばれてきた。
車載向け半導体の付加価値が高くないという点が障壁とされてきたが、(SiC)と窒化ガリウム(GaN)半導体の場合、高付加価値製品として投資に値するという分析だ。 SiCとGaN半導体は、従来のシリコン(Si)ベースの半導体に比べ電力効率と耐久性に優れており、次世代パワー半導体として注目されている。このような特性のため、消費電力が多いながらも安定性が重要な次世代自動車のコア部品として挙げられている。
政府は、DBハイテックの車載向け半導体の進出を積極的に援助するという立場だ。産業通商資源部の関係者は、「半導体のサプライチェーンの発展のために研究開発(R&D)技術の商用化支援や国策のR&D参加の様なリクエストが来ている場合、積極的に支援する」と明らかにした。 DBハイテックが要求した人材養成の分野にも積極的に拡大していくという立場だ。
先だって政府は、サムスン-KAIST契約学科の開設合意を引き出したりもした。これに加え、人材育成予算を3倍以上拡大し、DBハイテックが希望する車載向け半導体の人材育成を援助するという計画である。DBハイテックがライン増設に乗り出す場合、許認可などの規制の問題も積極的に支援する予定だという。
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