サムスン電子がスマートフォンブランド「Galaxy」の再編を図っているというニュースが流れる中、どの方向へ推進するのか注目が集まっている。韓国MediaPen誌が報じた。
2日、電機·電子業界によると、サムスン電子はさまざまな状況を考慮し、自社スマートフォン「Galaxy」のブランド戦略を見直すという。

サムスン電子のGalaxyブランド
サムスン電子は、昨年下半期にフラッグシップ製品である「Galaxy Note20」シリーズを発売するまでは、起動ロゴに製品名を入れていた。しかしS21シリーズからは製品名は消え、「SAMSUNG」と「GALAXY」だけが登場するように単純化された。これと関連し、製品名を排除し、サムスンとGalaxyを強調し、ブランドを積極的に強化しようとしているという分析が出ている。
サムスン電子は、「ニューブランディング戦略」を準備しているという。昨年初頭も、サムスン電子がさまざまな状況を考慮し、Galaxyブランドの運営方式を多角的に検討しているという報道が出ただけに、Galaxyブランドがいかなる方式であれ分離されるのではないかという見方も出ている。
サムスン電子のGalaxyは今も有形·無形的価値が十分だというのが大方の見方だ。しかし、Galaxyブランドには10万ウォン台から200万ウォンを超える製品が混在しているが、アップルのiPhone全ラインナップが全てフラッグシップとして出るのとは正反対だ。これは代表商品であるNote·S·フォルダブルシリーズと中低価格型A·MシリーズがGalaxyに一つになってプレミアムイメージを構築できなかったということと意味する。
製品のグレードによってポジショニングを新たにすることで、ブランディングを強化するという話も聞こえてくる。生活家電事業部の「ビスポーク(BESPOKE)」のような個別ラインナップを披露することもできるという意味だ。
サムスン電子はGalaxyブランドを発売する前の2010年、ブランド価値だけでも5兆ウォン(約4683億円)を超える「エニーコール」を果敢に廃棄した経緯がある。今回、再びGalaxyブランドの見直しが行われれば、大々的なレベルで行われる可能性が高い。
サムスン電子がリブランディングを持ち出したのは「Galaxyはおじさんスマホ」という印象が強いと認識されているためである。実際、韓国国内スマートフォンユーザーの70%ぐらいはGalaxyを使っているが、29歳未満の場合、45%と、その割合が急激に減っている。特に20代女性60%、30代女性45%はiPhoneを使っているという統計がある。年齢が高くなるほどGalaxyのユーザーが多いということは「Galaxy=おじさんスマホ」の等式を裏付ける。
フラッグシップ製品の販売量はブランドイメージと直結する。一時、年間に全世界で7000万台ずつ売れたGalaxy Sシリーズの販売台数は2000万台水準に急落した。一方、アップルはiPhone 12シリーズを1億5000万台も販売し、サムスン電子との格差をさらに広げた。
サムスン電子のノ·テムン無線事業部長(社長)は「当社が築いてきたイメージは間違っていない」と話したが、実状はGalaxyブランド自体の限界が販売量で如実に表われたわけだ。高価だが、Galaxyだから買いたいという消費者らよりは安いが、中国製ではなく、信じて使えるブランドで、コストパフォーマンスの面々を突き詰めて購入するケースが多いという評価だ。
「初」のタイトルで武装したサムスン電子は年を重ね、SとNote、フォルダブルにつながる革新的な歩みを見せてきた。しかし、これよりさらに重要なのは消費トレンドの変化にあるという指摘だ。技術を通じた進歩も重要だが、自己表現に代表されるイメージ·誇示消費がMZ世代の特徴だけにブランディング強化が求められるということにつながる。
サムスン電子のロゴやスローガンは、時代の流れによって見直され、変わる姿を見せてきた。サムスン電子のスマートフォンは「THE VOYAGE」、「OVER THE HORIZON」などのサウンドに代表されるが、総合的なブランド経験を消費者に伝えるためには、細分化した戦略が必要だという。
しかしA·MシリーズはSとNote、フォルダブルなどフラッグシップ製品群のイメージのおかげで販売される効果もあるだけにリブランディングには危険要素が伴われ、慎重を期さなければならないものとみられる。しかし、限界に直面したGalaxyブランドの再浮上のためには再編作業は欠かせない。
サムスン電子生活家電事業部はキッチン家電用の「ビスポーク」ブランドを発売し、関連市場で新風を巻き起こしている。ブランドの細分化に成功したと評価される理由だ。ノ·テムン社長体制の無線事業部もGalaxyで同じ姿を見せるかどうかが注目される。
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