下半期のスマートフォン市場では、サムスン電子とアップルの新モデルに対する期待感が高まっていたが、販売量は期待に追いつかず、販売現場の雰囲気は淀んでいる。半導体の供給不足で、メーカーのスマートフォン供給量が需要より低くなっていることが原因と見られる。韓国聯合ニュースが報じた。
10月5日、スマートフォン業界によると、8月末に発売したサムスン電子のGalaxy Z Fold3とGalaxy Z Flip 3の累積販売量は100万台を超えているが、購入者が適時に商品を受け取れないなど、流通問題が生じている。実際に、これらの製品は予約販売で発売前に92万台販売されたが、100万台を記録するまで1ヶ月近くかかるほど深刻な供給不足状況にある。事前購入者への配送期間も2回延長された。
業界は、このような事態の背景に関して、需要の予測が甘かったこともあるが、半導体の供給不足で製品の生産に支障が出たと分析している。サムスン電子の場合、新型コロナウイルスの拡散でベトナム工場に支障が発生した。
今月1日に予約販売を開始したアップルの新モデル、iPhone 13の供給量にも余裕はないと予想されている。iPhone 13シリーズは、オンラインストアなどで予約販売の受付を開始してから1時間以内にすべてのモデルが売り切れになるほど人気であったが、購入者が実際に手にできる時期は未定である。アップルの公式サイトでは、PROやPRO MAXなど、一部のモデルに関しては配送まで4、5週かかる可能性があると発表している。
流通業界は、半導体供給不足事態で市場のスマートフォン供給が不足していると分析している。ある関係者は、「流通網にある台数が例年に比べて60%水準しかない」と述べ、「メーカーが新製品生産に集中しているため、全般的な製品種類も減少し、スマートフォン台数不足の体感度がより高くなっている」と説明した。
韓国市場で10%のシェアを持っていたLGエレクトロニクスのスマートフォン事業撤収も供給不足に影響している可能性がある。韓国スマートフォン市場は外国産スマートフォンの墓場と呼ばれている。LGエレクトロニクスを代替できるスマートフォンメーカーがサムスン電子しかない現状では、LGエレクトロニクスの空白は簡単には埋められないと分析されている。
業界は、半導体の供給不足の早期解決は難しいため、今後の新モデル発売にも影響があると予測している。ある関係者は、「新製品に対する呼応が大きい時点に供給不足現象が発生し、現在、顧客の不便が大きい」と述べ、「一方では、家計での通信費負担を減らし、メーカーが新たな製品戦略を立てるきっかけにもなりうる」と説明した。
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