正極材事業をグローバル·トップティア(Top-tier·一流)水準に高めると宣言したLG化学が今年、正極材生産能力を昨年比で2倍に増やす。国内の増設がすでに進行中である一方、内部的には米国、欧州への進出も検討しているものと把握される。韓国マネートゥデイが報じた。
LG化学のチェ·ヨンミン電池素材開発センター長は13日、ソウルCOEXカンファレンスルームなどでオンライン·オフラインで同時開催された「KABC(Korea Advanced Battery Conference)2021」に出演し、LG化学の正極材生産能力について「昨年4万トン、現在6万トンを上回る」とし「全体の生産能力は今年末に8万トン程度になる」と明らかにした。これを金額に換算した場合、今年1兆5000億ウォン(約1429億円)前後の売上を達成する見通しだ。
正極材は、LG化学がLGエナジーソリューション(バッテリー)分社後、新成長エンジンに据え、集中的に育成している分野だ。
LG化学は今年7月、△環境にやさしい素材を中心とした持続可能なビジネス(3兆ウォン、約2857億円)、△電池素材を中心としたE-モビリティ(6兆ウォン、約5714億円)、△グローバル新薬(1兆ウォン、約952億円 )の3分野に2025年までに総額10兆ウォン(約9524億円)を投資すると発表していた。そのうち、E-モビリティ分野に属する正極材事業は一流のレベルに育成するという戦略だった。
当時、LG化学は正極材の材料となるメタルの安定的な需給のため、鉱山会社との合弁法人締結も準備中だと明らかにしていた。
この日チェ·センター長は「こうした生産量はユミコア、住友と並ぶグローバルトッププレーヤーに近い」とし「LG化学は今年12月ごろ清州(チョンジュ)第4工場を完工し、亀尾(クミ)工場は年末着工して全体生産能力は2025~2026年までに約25万トン~26万トンになると予想される」と話した。
続いて市場で絶えず取り上げられている欧州、米国などに工場設立の可能性については「確定していないが、検討する段階」と付け加えた。
一方、電気自動車のバッテリー需要が大幅に増えたことを受け、関連素材市場も急拡大している。
この日SNEリサーチによると、正極材市場の需要は今年99万トンから2030年605万トンへと6倍以上増える見通しだ。金額に換算すると、132億ドル(約15兆7410億ウォン、約1兆4991億円)から783億ドル(約93兆3728億ウォン、約8兆8926億円)に高くなる。正極材がバッテリー原価で占める比重は約40%で、バッテリー4大素材のうち、その比重が最も高い重要素材だ。
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