スマホ向け有機発光ダイオード(OLED)市場で、中国企業の追い上げが激しくなっているが、OLEDテレビ市場だけは、LG電子やLGディスプレイ、サムスンディスプレイ等の韓国勢が優位を保っていると、韓国毎日経済新聞が報じた。
内需消費力を基盤に中国メーカーがコスパの高い製品を出しているが、まだ市場の勢力図を変えるには足りないためだという。また、来年はサムスンが量子ドット(QD)技術を活用したQD-OLEDテレビを発売することになり、当面、韓国と中国とのOLEDテレビ技術の格差は続くだろうという見方が多い。ただ、このような格差を維持するためには、技術力の差を圧倒的に広げていかなければならないという意見も出ている。
17日、業界によると、サムスン電子は来年3月からQD-OLEDテレビの販売を本格化する見通しだ。サムスン電子はこれに先立ち、来年1月に開かれる家電·情報技術(IT)展示会「CES2022」で新製品を公開するものとみられる。
これに合わせ、サムスンディスプレイは早ければ来月から、QD-OLEDパネルの量産に突入する見通しだ。生産規模は月3万枚水準だ。サムスンディスプレイは既に忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)キャンパスに8.5世代(2200ミリ×2500ミリ)大型QD-OLED生産ラインの「Q1」を構築した。
QD-OLEDとは無機物である量子ドット(量子点)物質を活用したディスプレイだ。QDは電気·光学的性質を持つナノメートル(nm・1nmは10億分の1m)の大きさの半導体粒子で、発光源によって光のエネルギーを受ければ自ら色を出す。これをディスプレイに適用すると、色の再現力が向上し、電力も節減される効果があると知られている。このため、今後無機物素材の発光源を使用する場合、従来のOLEDに比べ「バーンイン(Burn-in・残像)」現象から自由で、寿命も相対的に長いというのがサムスン側の説明だ。
QD-OLEDテレビの発売を受け、OLEDテレビ市場での韓国の存在感は当面、強固に保たれる見通しだ。現在、LGディスプレイはOLEDテレビに使われる大型OLEDパネルを、世界で唯一生産しており、LG電子はOLEDテレビ市場で、約70%のシェアを記録している。市場ではOLEDテレビにQD新技術を適用したサムスンのQD-OLEDテレビがプレミアムOLEDテレビ市場の成長を加速化するものと期待している。
参考記事:LG電子、LGDのOLED事業拡大でテレビの価格競争力強化に自信
参考記事:サムスンディスプレイのスマホ向けOLED、中国企業と激しい競争に
参考記事:「コロナが作った新需要はOLEDが充足」自信を示したLGディスプレイ