車両向け半導体の調達難で今年第3四半期(7~9月)の韓国自動車生産量がここ13年で最低となったと、韓国東亜日報が報じた。
韓国自動車産業協会(KAMA)によると、今年第3四半期(7~9月)の韓国完成車業界の自動車生産台数は、計76万1975台と暫定集計された。新型コロナウイルス感染症(コロナ19)事態の直撃弾を受けた昨年第3四半期(92万1583台)より20.9%減少した。これは世界的な金融危機で生産量が大幅減少した2008年(76万121台)以後13年ぶりに記録した最低値だ。月別に見ると、▲7月29万7589台、▲8月23万4963台、▲9月22万9423台(暫定)の順で、生産量は徐々に減少している。
昨年、韓国完成車業界は、コロナ19の影響を受け、前年比11.2%減の350万7000台の生産に止まった。今年に入って状況は少しよくなったようだった。半導体の品薄状態でも生産量は回復傾向を示し、▲第1四半期(1~3月)に90万8848台、▲第2四半期(4~6月)に90万5699台をそれぞれ生産した。しかし、下半期に入って状況が半導体不足事態が再び深刻化し、深刻な生産不振につながっている。
メーカー別に見ると、今年第3四半期に現代(ヒュンダイ)車は35万209台を生産した。昨年第3四半期(41万5992台)比15.8%減少した数値だ。起亜(キア)車は第3四半期に32万1734台を生産し、昨年(34万4212台)より6.5%減少した。韓国GMは、前年(10万2747台)の半分水準の4万5939台の生産に止まった。売却手続きが進んでいる双龍(サンヨン)車は2万499台を生産し、昨年(2万6164台)より21.7%減少した。ルノーサムスンだけが唯一に生産量が増加した。昨年第3四半期(3万1537台)に比べて7%増えた3万3760台を生産した。
KAMAによると、今年第3四半期までの累積(1~9月)生産量は、前年同期比1.1%増の257万6496台だったことが確認された。半導体不足が続く場合、韓国完成車業界の生産量は今年も前年に比べて減少する見通しだ。完成車業界の自動車生産台数は、2015年に455万6000台を記録したのを頂点に、昨年まで5年間減少している。
一方、半導体不足による新車出庫遅延現象も深刻化している。今年10月基準で現代(ヒュンダイ)車のサンタフェハイブリッドは6カ月以上、起亜(キア)車のカーニバルは6~7カ月、ジェネシスGV80は6~7カ月以上、ソレントハイブリッドは11カ月以上の出庫を待機しなければならない状況だ。業界では半導体の需給難が、長くは2023年までも続くと見込んでいる。
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