サムスン電子が今月初めの「サムスンファウンドリフォーラム」に続き、来月には「セーフフォーラム」を開催し、ファウンドリ生態系の拡大に乗り出す。顧客企業の確保や支援に全力を傾け、ファウンドリ分野トップのTSMCに追いつく計画だ。韓国メディアのイートゥデイが報じた。
サムスン電子によると、今年で3回目を迎えるセーフフォーラム(SAFE Forum、Samsung Advanced Foundry Ecosystem)は来月17~18日の2日間、オンラインで開かれる。
「サムスンファウンドリフォーラム」がサムスンの技術ロードマップと長所を顧客に紹介するイベントだとすれば、「セーフフォーラム」はサムスンのパートナーが直接ファブレス(チップ設計専門)顧客に最新半導体設計支援ソリューションなどを紹介し、多様な協業を模索できるようにする場だ。
2019年、米シリコンバレーで初めて開かれ、昨年は新型コロナウイルス感染症(コロナ19)によりオンラインで開催された。
サムスンのパートナー社はフォーラムを通じて、半導体製品の設計および生産に欠かせない電子設計自動化(EDA)と設計資産(IP)、クラウド、デザイン、パッケージなど各分野のソリューションを説明し、協議する機会を持つことができる。
ケイデンス(Cadence)、シノプシス(Synopsys)、メンター(Mentor)などチップ設計ソリューションのパートナー社が総出動し、顧客企業に実質的にプラスになる内容を通じてサムスンファウンドリ市場シェアの拡大を図る計画だ。
サムスン電子関係者は「今回のセーフフォーラムでエコシステムパートナーとともに半導体革新と技術革新の次の段階を探索する」と明らかにした。
サムスン電子が約1ヵ月おきにファウンドリー関連フォーラムを相次いで開催するのは、急成長しているファウンドリ市場で主導権を握るためだ。
米市場調査会社のICインサイツは、世界のファウンドリ市場規模は、今年の1072億ドル(約127兆ウォン、約12兆2181億円)から2025年は1512億ドル(約179兆ウォン、約17兆2345億円)へと膨らむだろうと見込んだ。
非対面需要の拡大によるIT需要が大きく増えた上、米アップル、MSなどIT企業はもちろん、主要グローバル完成車メーカーが半導体の独自開発を宣言していることから、ファウンドリ企業の受注競争も熾烈だ。
揺れ動くファウンドリ市場で、トップのTSMCを抜き、顧客を確保するためには、技術力の確保はもとより、パートナーへの支援などを通じ、生態系を拡大するのが欠かせない。
市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、TSMCは今年第2四半期のファウンドリ市場シェア(売上基準)が58%でトップを守った。サムスン電子は14%で2位だった。
シェアの格差は大きいが、サムスン電子は高い技術力を必要とする先端工程で、日増しにTSMCとの格差が縮まっているという分析も出ている。現在、10ナノ(10nm・1nmは10億分の1m)以下の工程シェアは、TSMCとサムスン電子がそれぞれ60%と40%を記録している。
サムスン電子は今月初め、ファウンドリフォーラムを通じてGAA技術を基盤とした3ナノと2ナノ工程の量産計画を明らかにし、技術リーダーシップを再確認している。
2022年上半期にGAA技術を3ナノに導入し、2023年には3ナノ第2世代、2025年にはGAA基盤の2ナノ工程の量産に入るという計画だ。特に来年上半期に予告した3ナノ半導体量産時点はTSMCよりやや早いと予想される。
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