サムスンD、ソニーにTV用QD-OLEDパネルを供給…LGのOLED独占崩せるか

ソニーがサムスンディスプレイからテレビ用量子ドット有機発光ダイオード(QD-OLED)パネルを供給されることが明らかになった。最近まで適合性評価を実施していたソニーはQD-OLED商品化の可能性があると判断し、QD-OLEDテレビを製作することにした。早ければ11月中旬にサムスンディスプレイのQD-OLEDパネルがソニーに納品される予定だという。韓国メディア「ChosunBiz」が報じた。

10月25日、日本の電子業界のある関係者によると、ソニーは昨年度からサムスンディスプレイのQD-OLED試作品に対する商品化の可能性を打診した。ソニーは今月中にサムスンディスプレイ側にQD-OLEDのスペックが記載されている承認書を発行する予定であるという。サムスン電子も同じ時期に承認書を発行する予定だ。試作品を検討していた中国メーカーは供給先に含まれていなかった。

ソニーとサムスン電子の承認書を受けることになるサムスンディスプレイは、それぞれの納品先が要求する性能に合わせて、11月初旬からアサンキャンパスQ1生産ラインに必要材料を投入する。QD-OLEDパネルの量産は11月中旬に開始される予定だ。

韓国で製造されるQD-OLEDパネルはモジュール工程のためにベトナムに輸送される。モジュール工程は、ディスプレイが完成品で駆動できるように、様々な部品を装着する工程だ。モジュール工程を経たQD-OLEDパネルモジュールはベトナムのサムスン電子テレビ工場とマレーシアソニーテレビ工場などに供給される。

ソニーのQD-OLED搭載は、サムスンとLGに押され、苦戦しているプレミアムテレビ市場でのシェア確保が目的と見られる。現在、ソニーはプレミアムモデルとして既にOLEDテレビを発売しているが、ラインナップの拡張は限界に近い。業界のある関係者は、「プレミアム製品群の拡大で、グローバル市場でサムスンとLGに負けているソニーがQD-OLEDを通じて挽回するという戦略を採択している」と述べた。

サムスンディスプレイはアサンQ1生産ラインでQD-OLEDパネルを月当たり3万枚量産できる。55インチと65インチテレビを約100万台作れる量である。サムスン電子とソニーにそれぞれ供給されるパネルの量は公開されていないが、業界はサムスン電子への供給量が少し多いと推測している。

現在、LGディスプレイは世界のテレビ用OLEDパネルの99%を供給している。サムスンディスプレイのQD-OLED供給が本格的になると、このようなLGディスプレイのテレビ用OLEDパネルの独占構造にも変化が訪れると予想される。また、LGディスプレイは白色素子が発光源であるW(ホワイト)-OLEDであるに対して、サムスンディスプレイは青色素子が発光源のパネルに量子ドットカラーフィルムを被せたQD-OLEDであるため、技術の競争も激しくなると考えられる。

2019年8月、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長はサムスンディスプレイのアサンキャンパスを訪れ、「現時点で液晶表示装置(LED)事業が難しくても大型ディスプレイを諦めてはならない」、「新技術開発に拍車をかけ、新たな未来を先導しなければならない」と述べた。その2ヶ月後の2019年10月、イ・ジェヨン副会長はQDディスプレイの開発のために2025年まで施設に10兆ウォン(約9700億円)、研究開発(R&D)に3兆1000億ウォン(約3000億円)を投資すると明らかにしている。イ・ジェヨン副会長が直々関心を寄せているということから、QD-OLEDを含むQDディスプレイは「JYディスプレイ」とも呼ばれている。

LGディスプレイは、テレビ用OLEDの独占供給体制が崩れることに対し、憂慮よりむしろ期待を表しているという。供給するメーカーが少ないと、市場の拡張が難しいからである。会社のある関係者は、「LGディスプレイだけがテレビ用OLEDパネルを供給するよりは、様々な企業が参入することで市場が大きくなった方が、より多くの価値を創出できるようになる」と述べ、「競争の中で技術的優位を通じて、より多くの価値が生み出せると予想している」と説明した。

グローバルOLEDテレビ市場の半分を占めているLGエレクトロニクスも競合企業の市場進出を肯定的に捉えている。LGエレクトロニクスのイ・ジョンヒHE経営管理担当常務は、「液晶表示装置(LCD)テレビ市場での競争がOLEDに移ると、OLED市場での強力な市場支配力が優位戦略として作用するはず」と説明し、「このような市場支配力を背景に、持続的な製品の差別化を推進し、市場での優位を確保する」と述べた。

参考記事:サムスンディスプレイ「QD-OLED」量産秒読み…テレビパネル価格回復期待
参考記事:OLEDテレビ市場は韓国企業が技術で優勢…QD-OLEDテレビ発売で存在感も
参考記事:サムスンディスプレイ、QD量産間近…主要素材は日本のJSRから供給

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