サムスン電子とSKハイニックスがメモリ半導体の好況に支えられ、今年第3四半期に歴代級の業績を記録した。ただ、半導体市場は第4四半期に入り、DDR4 DRAM価格が下落に転じるなど、メモリを中心にダウンサイクルへの懸念が高まっているという。韓国メディア「CEO SCORE DAILY」が報じた。
両社は、次世代DDR5 DRAMの開発に力を集中し、ダウンサイクルへの懸念を払拭し、未来市場を先取りするという目標だ。
4日、業界によると、サムスン電子は今年第3四半期、半導体(DS)部門で売上26兆4100億ウォン(約2兆5575億円)、営業利益10兆600億ウォン(約9742億円)の業績を達成した。半導体部門の営業利益が10兆ウォン(約9684億円)を超えたのは、半導体のスーパー好況期だった2018年第3四半期以後3年ぶりのことだ。会社全体営業利益15兆8200億ウォン(約1兆5320億円)の3分の2程度を半導体が担当した。
サムスン電子の半導体事業で最も比重の高いメモリ半導体は、第3四半期に20兆8300億ウォンの売上を記録した。21兆ウォンを超えた2018年第3四半期以後、歴代2番目の記録だ。特にDRAMの場合、出荷量が四半期基準で歴代最大値を記録した。
SKハイニックスもメモリ半導体の好調に支えられ、過去最大の四半期売上達成に成功した。第3四半期の売上は11兆8053億ウォン(約1兆1432億円)、営業利益は4兆1718億ウォン(約4040億円)と、昨年同期より売上は45.2%、営業利益は220.4%伸びた。
SKハイニックスは、サーバーやスマートフォンに搭載されるメモリ半導体の需要が増え、製品価格も上昇した。また、10ナノ級第3世代(1z)DRAMや128段4DNANDなど、主力製品の歩留まりを高め、生産比重を拡大し、原価競争力を改善した。
両社ともDRAM中心のメモリ半導体の好況に支えられ、第3四半期の好業績達成に成功したが、今後の半導体市場の見通しはやや暗い。DDR4 DRAM価格が下落に転じるなど、メモリ半導体を中心にダウンサイクルへの懸念が高まっているからだ。
市場調査会社DRAMエクスチェンジによると、先月基準のDRAMパソコン用汎用製品(DDR4 8Gb 1Gx8 2133㎒)の固定取引価格は3.71ドル(約423円)と、9月より9.51%下落した。今年に入ってずっと続いていた価格上昇傾向が初めて下落転換したのだ。これに先立ち、台湾のトレンドフォース(TrendForce)も第4四半期のDRAM価格が第3四半期に比べ3~8%下落し、NAND型フラッシュ価格も0~5%下落するとの見通しを示している。
両社はこうした市場の不確実性に対応するため、「技術超格差」にさらに拍車をかける方針だ。特に、次世代DDR5DRAMの開発に力を集中し、ダウンサイクルへの懸念を乗り越え、未来市場を先取りするという目標だ。
DDR5は現在、主力として使われるDDR4比伝送速度と容量が2倍ほど速い次世代規格だ。近年、データセンターやスーパーコンピューター、企業向けサーバーなどを中心に需要が拡大している。価格もDDR4比最大2倍に達する見通しだ。
業界は、来年中旬からDDR5市場が本格的に開かれるものと見ている。市場調査会社のオムディアは、DRAM市場でDDR5の出荷量の割合が年0.1%から来年4.7%、23年20.1%へ増加し、2025年には40.5%まで増えると予測した。DDR5の需要拡大に伴い、メモリ企業がDDR4の生産施設をDDR5に転換すれば、DDR4の生産量が減り、DRAM価格が再び上昇する可能性もある。
サムスン電子は最近、14nm工程に極紫外線(EUV)を適用したDDR5の量産に乗り出すなど、DRAM世代交代に力を集中している。新製品は5つのレイヤーにEUVを適用し、前世代比生産性が約20%向上し、消費電力も約20%改善された。
昨年10月、世界で初めてDDR5製品を発売したSKハイニックスも7月からEUVを適用した10ナノ級第4世代(1a)DRAMを本格的に量産し始めた。来年初めから当該工程を適用したDDR5製品を本格的に生産する計画だ。
サムスン電子関係者は「グローバルDRAM需要は来年も続くとみられる」とし「高容量と高性能を実現した次世代DRAMで市場需要に積極的に対応する」と述べた。
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