韓国政府は、米国政府が半導体供給網に対する追加資料を要求しない見込みであることを明かした。韓国メディア「ハンギョレ」が報じた。
韓国の産業通商資源部は10日、アメリカ・ワシントンD.C.でムン・スンウク長官とジーナ・レモンド商務長官が11月9日に会談したことを明らかにした。会談は商務部で45分間行われたという。
会談で、ムン長官はアメリカの半導体供給網資料要請は今回の一回きりになるべきだと発言した。アメリカ商務部は、11月8日まで半導体供給網の情報を提出することを複数の企業に要求していた。サムスン電子やSKハイニックスなど、韓国企業も資料を提出している。ムン長官は、商務部の協調で韓国企業の憂慮が解消され、資料が円満に提出できたとも発言した。
これに対して、レモンド長官は、韓国内部の憂慮を理解していると説明し、韓国企業の協力に感謝していると述べた。また、提出された営業秘密を厳格に管理すると述べ、今回の資料提出要請は異例な状況下での不可避な措置であったと説明した。
産業通商資源部は追加資料の要請はないと予想している。ムン長官は会談後メディアとのインタビューで、「追加措置に関する言及はなかった」と発言した。また、「追加措置がないという確約を貰えたが」という質問には、「営業秘密に対する保安を徹底し、今回は一回きりで行われる」と説明した。産業通商資源部のある関係者は、「確約は貰えてないが、アメリカ商務部のホームページのFAQに一回きりという内容があり、FAQ通りになるか質問したところ、アメリカ側は肯定した」と述べた。
長官らは産業協力対話(チャンネル)を拡大することに関しても合意した。今まで局長レベルで運営していたチャンネルの格を上げ、長官レベルのチャンネルも構築する計画だ。産業協力チャンネルは、両国が毎年特定分野を指定し、政策・投資・技術情報などの交流を行うチャンネルである。産業通商資源部は、供給網の混乱に迅速対応するための官民連携チャンネルになると期待している。
産業協力チャンネルの一部として、半導体分野も確立することにした。来月8日には、局長レベルのチャンネルである半導体パートナーシップ1次会議を開催することにした。会議では、官民協議体を構成することで、供給網を分析し、産業協力プロジェクトを発掘を推進する予定だ。
貿易拡張法232条に関する論議も行われたが、進展はなかったと見られる。ムン長官は会談で、韓国産鉄鋼材の輸入量制限が規定された貿易拡張法232条の改善を要請した。輸入量を増やし、柔軟な運営が可能になるように法の改善を要請したのである。また、アメリカのヨーロッパに対する232条の緩和で、韓国の鉄鋼企業が被害を受けると予測されていることも、法改正を要請した理由の一つであると予想される。
産業通商資源部はムン長官の要請に対して、レモンド長官が、「その問題に対する韓国内部の関心を知っている。両国のパートナーシップに基盤し、今後持続的に論議したい」と答えたと明らかにした。
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