電気自動車(EV)メーカーのレンズ供給企業世界一として名高いコスダック市場上場企業のオプトロンテックが、他のコスダック上場企業のヘソンオプティクス(Haesung Optics)を買収する。カメラモジュールのコア部品を内製化する垂直系列化を通じて光学部品事業の競争力を大幅に引き上げることが目的だという。韓国メディア「韓国経済」が報じた。
支配構造変わるヘソンオプティクス
10日、関連業界関係者によると、ヘソンオプティクスはオーエイチ・アルマスリストラクチャリング投資組合1号を相手に270億ウォン(約26億円)規模の3者割り当て有償増資をすることにしたという。来る12月15日の納入後、来年1月3日新株を上場するスケジュールだ。有償増資が終わると、最大株主がイ・ジェソン元代表他6人(持分率21.89%)からオーエイチ・アルマス組合(28.16%)に変わる見通しだ。
オーエイチ組合を構成するのは、オプトロンテックと非上場カメラモジュール部品メーカー、ヘファの共同出資社であり、両社が全持分のうち相当部分に対しコールオプション(株式買収請求権)を保有するという観測だ。この資本取引に精通した関係者は「オプトロンテックとヘファは協力関係にある光学部品専門企業」とし「オプトロンテックはヘファの株主でもあり、オプトロンテックが事実上大株主としてヘソンオプティクスを買収し、光学部品事業の新版を組む仕組み」と説明した。
ヘソンオプティクスはその一環として最近臨時株主総会を開き、ヘファのジョ・チョル社長をヘソンオプティクス代表に選任した。チョ・シンイム代表とイム・ジユン・オプトロンテック代表(写真)は、ヘソン・オプティクス社内取締役にも名前を挙げた。イ・ジェソン前ヘソンオプティクス代表は代表理事職は降りるが創業者2世として会社の全般的な体質改善プロジェクトに力を注ぐことにしたという。
ヘソンオプティクスはかつて、年間売上が3000億ウォン(約290億円)を超えたが、カメラモジュール市場の変化に迅速に対処できず、経営難に陥った。赤字の主な原因であるカメラやレンズモジュール事業から撤収するなど、去る9月以降体質改善作業に盛んだ。
オプトロンテック、カメラモジュール垂直系列化
オプトロンテックがヘソンオプティクスと同じ船にに乗ったのは、カメラモジュール事業の垂直系列化のためだ。カメラモジュールは大きくレンズ、アクチュエータ、イメージセンサーで構成される。イメージセンサー用光学フィルターとレンズに強みがあるオプトロンテックは、ヘソンオプティクスを通じてアクチュエータを内製化できるようになる。アクチュエータは、揺れることなく鮮明な写真を撮るのを助ける機能を持つ光学部品だ。モーターを通してレンズが入っている筒(ベレル)を動かして焦点と揺れを補正する式だ。スマートフォンの高度化とマルチカメラの傾向に応じてアクチュエータの需要が急速に増える雰囲気を狙い、オプトロンテックがアクチュエータに競争力のあるヘソンオプティクスを電撃買収したという分析だ。
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